2015 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質合成系への作用からみたN-アセチルシステインの抗精神病作用機序の解明
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26860920
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西川 宏美 金沢大学, 大学病院, 研究員 (70534155)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神疾患 / 細胞内システイン / システイン-グルタミン酸交換体 / タンパク質分解系 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の検討の結果、慢性コカイン投与による側坐核でのシスティン-グルタミン酸交換体の機能障害は、同部のcysteine内容量に影響を与えておらず、それ以外の経路を介して代償されている可能性が強く示唆された。また、予想に反し細胞外cystathionine合成を触媒する酵素CBSは、コカイン投与群の側坐核で、対照群に比べ有意に低下していた。そこで2年度はCBSの活性制御に重要なglutathionylation化について免疫沈降法で対照群とコカイン群で比較を行ったが、いずれの群でもglutathionylation化したCBSは確認されなかった。以上の結果より、コカイン投与群側坐核におけるcysteine内容量は未知の代償機序によって制御され、タンパク質合成系に直接影響を与えている可能性は低いと考えられた。一方、タンパク質合成系と対応する関係にあるタンパク質分解系に関しては、我々の以前の検討から、コカイン投与群の側坐核で特異的に、細胞外cysteineを急速に補うN-acetyl-cystine(NAC)投与にて特に後シナプス膜分画に存在するタンパク質に特異的に誘導されるデータを得ていた。慢性コカイン投与やNACがユビキチン化促進やプロテオソーム活性に影響を与えないことが確認されたためオートファジー系の関与を疑い、同現象のマーカーであるLC3の発現量に関して検討したが、これも有意な結果は認めなかった。従ってオートファジー系の関与も否定された。
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Research Products
(3 results)