2014 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム児の社会性障害と前頭葉機能に関するイメージングジェネティクス
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26860929
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶梅 あい子(山崎あい子) 広島大学, 大学病院, 医科診療医 (00448250)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イメージングジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
学童の自閉症スペクトラム障害(Autism spectrum disorder; ASD)児及び健常発達児を対象に、①近赤外分光法(NIRS;Near Infra-Red Spectroscopy)による脳血流測定、②質問紙(自閉症スペクトラム指数)を用いた自閉傾向の調査、③自閉症関連遺伝子多型の遺伝子型同定の3つを行った。 平成26年度は、ASD児8名、健常発達児11名の測定を行った。①では表情モーフィング課題を用いたが、難易度に関わらず回数を重ねるごとに脳血流反応が低下する傾向が見られ、馴化が起こりやすいものと考えられた。よって、練習課題(難易度50%)を解析対象とすると、ASD群では健常発達児群よりも有意に酸素化ヘモグロビン変化量が低値を示した。②では、ASD群で健常発達児群よりも有意に高値を示した。①の脳血流変化量との関連については、現在解析継続中である。③の遺伝子多型については、成人対象の予備実験において、オキシトシン受容体の遺伝子型間(AA/AGとGG)で脳血流反応の有意差が認められており、現在本研究の学童対象の解析も行っている。 ①の2群間での有意差は、診断に客観的指標の乏しいASD診断の一助となる可能性があり、大変有意義な結果であると考えている。今後、②の自閉症スペクトラム指数との相関や、③の遺伝子多型との関連が認められれば、ASDの病態解明や治療的アプローチに示唆を与え得るものと考え、平成27年度も被験者を増やしつつ解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、参加児を募集し実際の測定を遂行できている。今後は解析を中心に進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
自閉症スペクトラム指数や遺伝子多型との関連について検討するためには、さらに被験者を増やす必要があると考え、引き続き被験者の募集と測定を行う。年度後半には、解析のまとめに入り、学会や論文作成を進めていく。
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Causes of Carryover |
消耗品として予算計上している測定用プローブが年度内に入手できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の測定プローブの購入を行う。
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