2014 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者由来iN細胞を用いたマイクロエンドフェノタイプの同定と病態解明
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26860932
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐方 功明 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00632308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トランスレーショナル研究 / 直接誘導神経細胞 / iN細胞 / 統合失調症 / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
既存の直接誘導神経 (iN) 細胞作成法では未成年由来皮膚繊維芽細胞 (FB) と比較して成人由来 FB からの転換効率が低いという問題があった。平均発症年齢が20-30代である統合失調症の研究においては成人が主な研究対象となるため、成人由来 FB からの転換効率を高める必要があった。 既存の方法で使用されている培地にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤バルプロ酸や成長因子FGF2などを添加し、1歳-69歳の皮膚由来 FB (20 細胞株) より iN 細胞を作成したところ、20 株中 19 株において明らかな神経細胞様形態変化 (立体的な球形細胞体と長く分枝した神経突起) を認めた。さらに転換前の FB と転換後の iN 細胞におけるニューロンマーカー MAP2 の mRNA 発現量を細胞株毎に比較した結果、未成年者(平均年齢 10.2 歳、6 細胞株) では約 156.6 倍、成人 (平均年齢 24.5 歳、6 細胞株) では約 126.5 倍、中高年者 (平均年齢 54.6 歳、8 細胞株) では約 107.8 倍の MAP2 増加が確認できた。この3者間における MAP2 発現量増加に有意差はなく、成人・中高年者由来の FB においても未成年者由来の FB と同程度の転換効率が示された。 以上のことから、本研究のターゲットとなる成人の統合失調症罹患者のみならず中高年の精神疾患罹患者の iN 細胞も作成可能となり、その意義は本研究に留まらず他の精神疾患研究にも大きな影響を与えうるものであると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最も大きな課題であった、成人由来皮膚繊維芽細胞からの直接誘導神経細胞への転換効率を改善することができたため、年次計画の主目的は達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、作成した iN 細胞を用いた機能解析等を詳細に行う。ただし、研究計画の1つであった GABA 作動性 iN 細胞の樹立については現在のところ困難を極めているため、研究計画にも記載していたグルタミン酸作動性・GABA 作動性 iN 細胞の混在系を利用し、統合失調症や自閉症などにもみられる興奮-抑制バランスの崩壊を in vitro で再現できないかと考えている。
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Research Products
(1 results)