2015 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者由来iN細胞を用いたマイクロエンドフェノタイプの同定と病態解明
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26860932
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐方 功明 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00632308)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統合失調症 / iN細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者4名の皮膚繊維芽細胞 (GM03440, GM05399, GM05565, GM07522:すべてCoriell Instituteより購入) 及び統合失調症罹患者4名の皮膚繊維芽細胞 (GM01792, GM01835, GM02497, GM02503)にそれぞれBAM因子 (BRN2, ASCL1, MYT1L) を強制発現させ、昨年度改良・報告した方法で健常者・罹患者両群のiN(誘導神経)細胞を誘導・培養した。細胞形態の神経細胞様変化やニューロンマーカーであるMAP2の増加、繊維芽細胞マーカーS100A4の減少が確実に再現される誘導後14日において健常者・罹患者両群のiN細胞のmRNAを回収し、リアルタイムPCR (LightCycler 480 real-time PCR system, Roche) によってmRNA発現レベルを比較した。その結果、統合失調症罹患者由来のiN細胞特異的にmRNA発現レベルが健常者の約2倍に増加している遺伝子を発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統合失調症罹患者の生きた神経細胞において健常者と有意に異なる発現を示す遺伝子の一つを明らかにし、本研究の目的である統合失調症のマイクロエンドフェノタイプの同定を一つ達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回明らかにした統合失調症マイクロエンドフェノタイプの一つ (遺伝子XのmRNA発現量倍加) のタンパク質レベルでの検討とその下流に及ぶ影響を評価したい。
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Causes of Carryover |
他の財源による類似の研究と本研究を並行して行った解析(real-time PCR)があり、それらに必要な消耗品費用(RNA抽出キット・cDNA合成キット・PCR関連試薬等)を浮かせることが出来た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究独自に必要な解析であり、申請時の計画にはなかったTali(イメージベースドサイトメーター)を利用したタンパク質発現量解析に使用したい。
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