2014 Fiscal Year Research-status Report
レビー小体型認知症におけるレム睡眠行動障害の診断・治療法の応用
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26860937
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 清樹 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50569035)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 老年精神医学 / レビー小帯型認知症 / レム睡眠行動障害 / バイオマーカー / Dat Scan |
Outline of Annual Research Achievements |
レビー小帯型認知症(DLB)は、認知症を呈する神経変性疾患では、アルツハイマー型認知症(AD)に次いで多いと言われているが、多くのDLBが他の認知症性疾患と誤診されている。誤診されたまま精神症状に対し安易に抗精神病薬を投与すると、急速に臨床症状を悪化させ、ときに生命に影響を及ぼすような重篤な副作用が出現する。よって正確な診断をすることは、治療、介護、予後の点からも大きな臨床的意義がある。診断精度を高め、見逃しを少なくするためには、DLBの臨床診断基準の中心的特徴(Central features)や中核的特徴(Core features)だけでなく、示唆的特徴(Suggestive features)にも注目することが重要である。その中でも、我々は“①レム睡眠行動障害(RBD)”と“②SPECT/PETで示された大脳基底核でのドパミントランスポーターの取り込み低下” に注目している。
①については、本人および家族への詳細な問診のほか、クリニカルパス入院(検査入院)をできる限り施行し、夜間帯の睡眠状況を確認している。また、RBDがある患者の治療として第一選択薬クロナゼパムを使用する前にラメルテオンを投与し、その効果について検証している。また、karadafitというアクチウォッチの簡易版を購入することができたので、これを用いて集まったデータを解析する。 ②については、Dat Scan検査が2014年1月27日より本邦でも行えるようになり、当施設でも積極的に施行している。認知症を疑って検査入院した患者さんに対して、同意の上、ほぼ全例施行している。これにより、当施設の“SBR(Specific Binding Ratio) = 特異的結合濃度 / 非特異的結合濃度”のノーマルデータベースを作成できるだけでなく、RBDとSBR、さらにはMIBG心筋シンチグラフィーのH/M比などのバイオマーカーとの相関なども検討することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当施設の物忘れ専門外来では、診断精度向上および研修医の教育のため、既にクリニカルパス入院(検査入院)の体制が整っており、2010年より毎週行われている。DLBの臨床診断基準を満たし、かつ最新の画像診断においてDLBの特徴的所見を全て兼ね備えた診断妥当性の高いものを対象とできている。また、以前勤務していた砂川市立病院からのデータも利用できるため、症例の蓄積は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は症例の蓄積に専念し、次年(平成27年)度でもさらに症例を増やし、その後、データ解析・結果の考察などを行う。
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Causes of Carryover |
残額は、わずかである(中途半端である)が故に、本年度はデータ改正用の物品等の購入に用いることができなかった。次年度の交付金額と合わせて有効的に用いたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ解析用メディア、研究成果の発表(学会・論文執筆)の諸費用の一部として用いる。
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Research Products
(3 results)