2016 Fiscal Year Research-status Report
睡眠関連病態を手掛かりとした神経変性疾患の早期診断法の確立
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26860939
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小栗 卓也 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70591907)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レム睡眠行動異常症(RBD) / パーキンソン病 / 機能的MRI(fMRI) / トラクトグラフィ / 神経結合 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性レム睡眠行動異常症(RBD)では、すでにパーキンソン病(PD)同様の機能変化が基底核に生じうることが核医学研究で明らかとなっている。一方、運動関連皮質にも同様に機能変化が生じているかどうかは、未だ判明していない。本研究の目的は、特発性RBDにおいて、随意運動時の大脳皮質活動や基底核をふくめた神経結合ネットワークにPD同様の変化が生じているかどうかを、機能的MRI(fMRI)やトラクトグラフィ解析を用いて明らかにすることである。平成28年度は、引き続き被験者候補としてRBD患者と健常者を名古屋市立大学病院および研究関連施設などで募集したうえで、fMRIおよび拡散強調画像・構造画像の撮像を集中的に実施した。その結果、RBD患者および健常者ともに、解析を行うにあたり必要十分な量のデータを収集しえた。その後、得られたデータの解析と検討を重ねたところ、おもに安静時fMRI(resting-state fMRI)にて、RBD患者群と健常者群間において、運動関連領域の機能変化を示唆しうる神経結合の差異を見出すことができた。平成29年度は、まず得られた結果の細部の解析と検討を引き続き行う予定である。また現在、本研究に並行して運動タスクとドパミントランスポーターSPECTによるマルチモダリティ評価を行っているので、これらの評価結果と組み合わせ、本研究成果を国際学会および国際英文誌上に報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、MRIスキャナのメンテナンスと撮像条件の再検討のため、撮像できない時期が一定期間生じ、データ収集が数ヶ月間遅延した。平成28年度は、当初の予測よりも速いペースでデータ収集できたため、前年度の遅れをおよそ取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、引き続き細部の解析と検討を行うとともに、運動タスク評価とドパミントランスポーターSPECTによる評価結果と組み合わせ、研究成果を国際学会および国際英文誌上に報告する予定である。予算はおもに国際学会参加と論文投稿準備のために執行予定である。
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Causes of Carryover |
研究成果の一部を当該年度内での国際学会にて発表予定であったが、中止となったため、発表先を次年度開催の学会に変更した。また本研究の被験者を対象に、リハビリ部門による運動タスク評価とドパミントランスポーターSPECTを組み合わせた研究を合わせて遂行することになり、実験スケジュールを調整した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
おもに国際学会参加と論文投稿準備のために執行予定である。追加で実験を行った場合は被験者への謝金やMRI撮像費用などに充てる。
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Research Products
(1 results)