2016 Fiscal Year Research-status Report
抗精神病薬による脳内ドーパミンD2/3受容体を介した顕現性回路の制御機構の解明
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26860947
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
小高 文聰 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10349582)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 顕現性回路 / ドーパミンD2/3受容体占有率 / リスペリドン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、統合失調症の顕現性および妄想と関係する学習課題である、Salience Attribution Test(以下SAT、Roiser, et.al, 2009)のプログラムと妥当性検証と、MRIの撮像シーケンスおよび血液検体の遠心・保存に係る方法、血漿中リスペリドン/パリペリドンのLC/MS/MSを用いた薬物血中濃度測定施設の変更、被験者のエントリーおよび撮像、解析の前処理を行った。 SATに関しては、平成27年度は心理実験作成ソフトウェアであるe-primeでのプログラムを行っていたが、先行研究のような反応時間が得られなかったため、ノッティンガム大学のJonathan W. Pierce開発のPythonライブラリであるPsychopyソフトウェアでも開発を行い、最終的にPsychopy版のSATを採用した。 MRI特にEPIの撮像シーケンスについては、代表者の先行研究等から決定した。血液検体の処理に関しても、研究代表者の先行研究を参考に決定した。当初リスペリドン/パリペリドン血漿中濃度は外部業者に依頼予定であったが、測定価格がやや高価であるため東京慈恵会医科大学内のLC/MS/MSで測定を行う方向とした。平成29年度早々にリスペリドン/パリペリドンの原末を購入し、検体の測定を開始する予定である。 上記の準備のため、被験者のエントリー開始が更に遅れたが、現時点での被験者エントリーは比較的堅調に進んでいる。平成28年度中に撮像が終了しなかったため、本研究の期間を平成29年度まで延長し、次年度も引き続き被験者の撮像を行う予定である。画像処理に関しては、Windows/Linuxワークステーションで画像データの処理を行っている。データ処理に関してはシェルスクリプトやバッチファイルのプログラムを行い、処理を効率化する系を作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者の撮像が終了せず、平成29年度も引き続き撮像を及び解析を行っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者のエントリーは比較的堅調に進んでいる。特に統合失調症患者に関しては、血漿中リスペリドン/9-OHリスペリドン濃度の測定が必要なため、なるべく早い段階での撮像終了を目指す。撮像に並行して脳画像解析を行い、年度内に結果を出すよう努力する。
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Causes of Carryover |
被験者の研究エントリーに時間がかかり、東京慈恵医科大学に支払う予定の被験者の撮像費用および被験者への謝金支払いが平成29年度に持ち越しとなったため。また、血漿中リスペリドン/パリペリドン濃度の測定費用が平成29年度に持ち越しとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に持ち越しとなったが、被験者撮像代、謝金、薬物血中濃度測定費用などの使用用途は変更せず、使用する。ただし、解析やドパミン動態、統合失調症の病態等に必要なソフトウェアや図書代金として使用する可能性がある。
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Research Products
(1 results)