2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本人統合失調症を対象とした抗精神病薬のマルチプルネットワークメタ解析
Project/Area Number |
26860949
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
松田 勇紀 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10726540)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神薬理 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、日本人という生物学的・社会的に均一な集団のみの統合失調症を対象とした抗精神病薬の効果及び安全性に関するマルチプルネットワークメタ解析を行った。本試験には18試験、3446名を包括した。主要評価項目は、有効性に関して治療反応率、安全性に関して全ての理由による脱落率を用いた。どちらの項目もオランザピンとパリペリドンはプラセボと比べて有意に優っていた。同様に、PANSS総合、陽性尺度、総合精神病理尺度に関してオランザピンとパリペリドンが、PANSS陰性尺度に関してオランザピンがプラセボと比べて有意に優っていた。また、副作用による脱落率は、プラセボを対象として各抗精神病薬の順位付けを行うと、オランザピンとパリペリドンが他の抗精神病薬と比べて優れていた。これらのことから、効果及び安全性に優れた抗精神病薬はオランザピンとパリペリドンであった。個々の副作用に関しては、各抗精神病薬間で結果は異なっていた。 本試験の結果は、全人種の統合失調症を対象とした既報のマルチプルネットワークメタ解(Leucht et al 2013, Lancet)の結果と比較して大きな違いはなかった。また、日本やアジアでのみ市場されている抗精神病薬の各アウトカムにおける位置付けを明確にした。更に、各ガイドラインで推奨されている、「副作用のリスクの観点から薬剤選択のshared decision makingを行うと良いであろう」ことも、我々の結果は支持した。 上記、試験結果に関しては現在論文の投稿を行っている。 我々は、本データを用いて、イミノベンジル系抗精神病薬とアリピプラゾールのコンベンショナルメタ解析を行い、publishされている。(Kishi et al 2014, Neuropsychiatr Dis Treat, Kishi et al 2015, Neuropsychiatr Dis Treat)
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