2014 Fiscal Year Research-status Report
うつ病治療応用のための神経回路変化に着目した経頭蓋直流電気刺激の最適化と臨床検証
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26860950
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 助教 (40567567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | うつ病 / tDCS / 経頭蓋直流電気刺激法 / 脳波 / EEG / LORETA / microstate |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation: tDCS)を用いて、うつ病患者への刺激部位の最適化、及び有用性の証明を行うことが目的である。具体的には、①うつ病患者、健常者の2群を対象に背外側前頭前皮質と内側前頭前皮質を各々に分けて刺激し、神経ネットワークの時間的変遷を脳波を用いて調べることで、前頭皮質tDCSの刺激部位の最適化を行い、②この最適化された条件を基にうつ病患者に対して長期複数回のtDCS刺激を施行し、臨床面からもその効果を明らかにする予定である。 うつ病の治療期間は長期にわたることが多く、毎回の施術、検査のコスト、侵襲性は治療のコンプライアンスに極めて重要なファクターとなる。既存の薬物療法、精神療法に組み合わせることができ、安価で、複数回の使用が容易なtDCSの治療を確立することは、世界のうつ病治療の発展に大きく貢献するものであると考える。 このようなtDCSの神経生理学的な作用を調べるために、本研究では3つのstepに分けて研究行っている。Step 1:うつ病患者で単回tDCSと、Step2: 健常者での単回tDCSの研究は同時並行で開始となっており、現時点で計4症例ずつの測定が終了しており、引き続き参加者のリクルートを継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
参加症例数はやや遅れ気味であるが、外来をはじめ受け入れの準備は整ってきているため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例のリクルートを継続しながら、解析を開始。また、STEP3:うつ病患者へ長期間にわたるtDCS治療の準備を開始する。具体的にはStep1,2より導き出された設定条件下で、長期間tDCSを行い、臨床評価、ネットワークの変化の解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は研究初年度であり、研究の開始にあたって器材(tDCS)の購入が必要であったが、予定より若干安価に器材が購入できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床研究保険の契約延長などに使用予定である。
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