2016 Fiscal Year Research-status Report
うつ病治療応用のための神経回路変化に着目した経頭蓋直流電気刺激の最適化と臨床検証
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26860950
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
西田 圭一郎 関西医科大学, 医学部, 講師 (40567567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | うつ病 / tDCS / 経頭蓋直流刺激 / EEG / 脳波 / LORETA / WCST / 電気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
約20人の DSM‐Ⅳの大うつ病性障害の診断基準を満たすうつ病患者と健常対照群を対象とした。1週間以上の間隔をあけ2回測定しており、1回はmPFCを刺激、もう1回はDLPFCの刺激を行った。その順番は被験者ごとに変えている。tDCSは2mAで20分間施行、その前後における神経ネットワークの変化を脳波を用いて測定した。空間的なネットワークのインタラクションを調べるLORETA iCoh (Pascual-Marquiら)などを用いて解析した結果、tDCS前後におけるうつ病患者の脳内ネットワークは健常者のそれと比較して、異なったパターンを示した。現在WCST課題や、感情、病歴といった項目との関係を調べている。これらの結果に関しての投稿を準備中であり、詳細は来年度に改めて報告する。 なお、本研究と関連して、うつ病とDCSに関してのレビューが投稿されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
うつ病患者、対照群、それぞれ約20例ずつの研究データ収集は終了し、現在データの前処理を行っている。共同研究者と協力し、新たな解析技法を導入しながら、投稿の準備を進めている。臨床研究であり、症例の募集に時間を要したため論文化は半年程度遅れているが、内容の進行としては概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究をとおしてうつ病治療における貴重な情報を得ることができた。今後tDCSの臨床への応用を考え、治療効果予測も含めた、より患者さまへの還元をめざした研究の準備を行う。先行する海外臨床試験の結果の検討も進め、多施設研究の導入も考える。
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Causes of Carryover |
予定症例数は到達したものの、一部解析に不適合な症例があり、対照群を中心に追加で募集を行うことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年3月末に追加収集は終了となり、再度解析を行う。第113回精神神経学会、第47回神経生理学会での発表、英文雑誌への投稿を行う予定で、未使用額はその経費にあてる。
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Research Products
(3 results)