2014 Fiscal Year Research-status Report
脳画像の統計的パターン認識を用いた大うつ病と双極性障害の鑑別診断補助
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26860960
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
藤井 猛 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医員 (80570837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統計的パターン認識 / 脳画像 / MRI / 気分障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
当研究ではMRI画像に統計的パターン認識の手法を用いて、うつ病群、躁うつ病群、コントロール群を分類して診断補助に使用するための方法を確立することを目指している。 統計的パターン認識にはPRoNToというソフトを用いて大量のMRI画像データを解析する。大量の画像データを解析するために研究費で購入したGPUコンピューティングプロセッサボードを設置し、解析ソフトをインストールおよび設定して使用できるように準備した。さらにはPRoNToのデモデータを用いて実際に解析ソフトを使用してその使用法に習熟した。そこで問題として浮かび上がったのはMRI画像からの特徴表現抽出の難しさと大切さである。そして脳画像のp>>n問題(large p small n problem)に対応し、ノイズに対して過学習することを避けるために、脳画像の情報を圧縮して次元を下げる方策について検討している。適切な特徴表現抽出を行うことは脳画像による診断予測精度を上げるために非常に重要であるが、これまでは解析担当者の経験に依存していた。近年、人工知能分野で発展が著しい深層学習(ディープラーニング)では自動符号化器という手法で特徴表現抽出を自動的に最適化して予測精度大きな成果を上げている。この手法を脳画像に対する統計的パターン認識にも適用できないかと方法を検討している。 上記を考慮した内容で当センターの倫理委員会に提出する倫理審査書類の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRI画像からの特徴表現抽出の方法、およびp>>n問題の対応方法を検討していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査など実際にデータ取得するための準備を進めつつ、深層学習をMRI画像の統計的パターン認識に使用できるか検討を続ける。難しい場合は従来の方針通り、方法的に確立されている独立成分分析を用いて特徴表現抽出を行う。
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Causes of Carryover |
MRI画像からの特徴表現抽出の方法、およびp>>n問題の対応方法を検討して、実際のデータ取得の開始が遅れ、被験者や実験補助者への謝金や質問紙代などの支出がなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度にデータ取得を開始し、被験者や実験補助者への謝金や質問紙代など、従来の予定通りの目的に使用する予定である。
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