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2014 Fiscal Year Research-status Report

放射線治療増感を実現する癌幹細胞標的薬剤輸送システムの開発

Research Project

Project/Area Number 26860967
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

廣瀬 勝己  弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60623767)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords放射線増感 / 低酸素細胞 / 癌幹細胞
Outline of Annual Research Achievements

ヒト肺腺癌細胞系列であるA549細胞を用い、癌幹細胞のニッチとなる低酸素環境を制御し、結果的に癌幹細胞を制御しうるかどうかを検討すした。まずは癌幹細胞能を有する細胞の特定が可能かどうかを検討した。はじめに癌幹細胞能を有する細胞分画と大部分がオーバーラップすると報告されているSP分画の割合を解析した。Hoechst33342で細胞を染色し、UV励起でのフローサイトメトリーを用いサイトグラムを展開しSP分画と考えられる分画を検索した。染色濃度および染色時間を様々に変え、ベラパミル負荷で消失する分画を検索したが、SP分画として適正と思われる分画は明らかにならなかった。フローサイトメトリーの設定値を変化させても明らかにできず、SP分画による癌幹細胞の検討を断念せざるを得なかった。次に、分子表面マーカーでの癌幹細胞の検出を試みた。A549細胞において癌幹細胞の特徴を有する細胞は分子表面マーカーとしてCD133(Prominin-1)を発現していることがすでに明らかとなっている。そこでFITC結合抗CD133抗体で細胞を染色し、フローサイトメトリーでCD133陽性細胞の割合を解析した。CD133陽性細胞分画が特定され、定常状態ではCD133陽性分画は0.36%存在していた。
次にマイクロカプセルの精製を行った。高重合度のヒアルロン酸ナトリウム0.1%を添加した0.2%アルギン酸ナトリウム溶液をマイクロアトマイザーで0.3M塩化カルシウム水溶液中に噴霧し、マイクロカプセルが精製された。これをメッシュフィルターに通して、一定サイズのマイクロカプセルに精製した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

マイクロカプセルの精製に関して、マイクロアトマイザーの機器選定に時間を要した。最終的に現在のマイクロアトマイザーで一定粒径の噴霧が可能であり、マイクロカプセルの精製に問題ないことが確認されたため、今後の研究計画項目1.抗体及び薬剤包含マイクロカプセルの精製と評価、2.マイクロカプセルの癌幹細胞局在化と照射トリガーによる薬剤効果発現の検討、3.高濃度のHIF-1α阻害薬での放射線治療効果の増強と生体毒性の軽減、に関する検討については順調に進行すると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

1) 抗原抗体反応によるマイクロカプセルの癌幹細胞局在化と照射トリガーによる薬剤効果発現の検討(in vitroおよびin vivo)として、ヒト肺癌由来のA549細胞株にマイクロカプセルを投与したとき、細胞表面マーカーで識別される癌幹細胞に特異的にマイクロカプセルが結合することを確認する。これと同時に、in vitroではカプセル中に抗癌剤シスプラチンを包含させ、照射と非照射の条件で照射時のみにシスプラチンの致死効果が癌幹細胞優位に発現することを確認する。
2) 高濃度のHIF-1α阻害薬YC-1、 PX478、 LW6の放射線治療効果増強と毒性低減(in vivo)として、腫瘍移植マウスにカプセルを使用して高濃度の薬剤を投与したときに、カプセル未使用での投与と比べて照射後の腫瘍再増殖抑制効果が増強され生体毒性が低減されることを確認する。

Causes of Carryover

研究がやや遅延しており、前年度に行うべき小テーマについての検討に関する研究消耗品や機材の購入が前年度になされなかったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

前年度から繰り越して小テーマを実行する上で必要となる、研究消耗品や機材の購入に使用する予定で、余る予定はない。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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