2016 Fiscal Year Research-status Report
緑内障の客観的早期診断法の開発に向けて~脳MRIはバイオマーカーとなり得るか?
Project/Area Number |
26860971
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
舘脇 康子 東北大学, 大学病院, 助教 (40722202)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 緑内障 / MRI / BDNF / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は緑内障に関連した脳視路変性とBDNF(brain derived neurotrophic facter)の血清濃度や遺伝子多型との関連を、各種MRI画像を客観的指標として使用することにより明らかにするという目的をもって行っている。 1.被験者のリクルートとデータ採取:H28年度は前年度に続き、健常者24名、緑内障患者66名に対して縦断的データ採取(眼科検査、各種MRI画像、心理検査、採血)を行った。 2. MRI画像解析:3D-T1強調画像の横断データをVBM(voxel based morphometry)の手法を用いて解析を行い、緑内障の疾患重症度に相関して灰白質体積の増減のある特異的領域を抽出した。さらに同領域の灰白質濃度に関してROC解析を行い緑内障診断能を評価し、臨床的に有用なカットオフ値を算出した。3D-T2強調像にて測定した視神経横断面積と緑内障進行度とに強い相関があることを確認し、学会にて成果報告を行った。DTI(diffusion tensor imaging)は最先端の解析モデルであるNODDI法を導入した。解析に際してABiS(先端バイオイメージングプラットフォーム)に本研究計画が採択され、国内のDTI画像解析のスペシャリストの助力を得て解析を行っている。 3.心理検査、各種眼科検査のデータベースの構築:2017年1月までの被験者のCES-DとSTAIの心理検査結果、および各種眼科検査のデータベースの構築を完了した。 4.BDNFの遺伝子多型、BDNF蛋白濃度の測定:前年に引き続きBDNFのSNP遺伝子多型の解析を行い、健常者29名、緑内障患者66名の解析を終了した。BDNF蛋白濃度については、血清中、血漿中BDNF蛋白濃度を測定した。横断研究における健常者29名、緑内障患者68名の濃度測定を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度のデータ採取中止期間によりデータ採取が大幅に遅れていたが、今年度にMRI装置を変更したことによりデータ採取のスピードアップをはかることが出来た。ただし、縦断研究のために2年目のデータ採取の遅れを反映して3回目のデータ採取の開始も延びることとなり、今年度中には縦断3年目のデータ採取が終了できなかった。今年度は引き続き3年目の縦断データの採取を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までにほぼすべての横断データの解析とデータベースの構築が完了したため、今後はデータの統計解析と成果報告に精力的に取り組む見込みである。また、解析や論文執筆と同時進行で最終年の縦断データ採取と縦断データの解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に引き続き縦断データ採取が遅れて進行しているため、残りのデータ採取に関わる謝金などを次年度に繰り越す必要性が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は残りの被験者の縦断データ採取を完遂するため、これに関わる謝金として使用する予定である。
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