2015 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線がん治療におけるスペーサー手術の評価および新たな手法の開発
Project/Area Number |
26860979
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
清原 浩樹 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10344920)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重粒子線治療 / 放射線治療 / スペーサー手術 / 有害事象リスク低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)重粒子線がん治療におけるスペーサー手術の現在の有効性と安全性を評価し解析した。 群馬大学における重粒子線治療に先立って実施された「スペーサー手術」(重粒子線治療の有害事象発生リスクの低減を目的とした、腫瘍とリスク臓器との間に手術的に間隔を空ける手術)の実際とその有効性について、これまで実施された16例のデータに基づき、解析を行い、安全に施行可能で、かつ重粒子線治療による有害事象リスクを有意に低減できることを示した。これまでスペーサー挿入術に関して症例報告レベルでは国内外で複数の報告があるが、症例シリーズとしての報告は見られない。特に当成果に関して、2016年3月5日に第53回群馬放射線腫瘍研究会で報告した。また論文作成、国際誌への投稿準備中である。 2)放射線腫瘍医と外科医の情報共有やニーズの伝達に有用な手法やツールを開発した。 スペーサー手術前に放射線腫瘍医からのニーズを外科医に伝達し、また外科医が手術中をはじめ周術期にどのようなスペーサーが必要であるかを確認できるための情報共通ツールとして「ヴァーチャルスペーサー」の手法を開発した。具体的には、手術前に撮影されたCTなど画像を利用して、腫瘍とリスク臓器の位置関係やスペーサーとして必要となる距離を明確にビジュアル化し、三次元的に描出したものを、電子カルテ上で手術室でも容易に閲覧可能なシステムを平成27年度になり確立し、現在院内で運用可能となっている。この手法は国内でも初の試みであり、スペーサー手術と重粒子線治療を同一施設で行うことの可能な唯一の施設である当院でのみ開発可能といえる。 3)国内におけるスペーサー治療研究会に参画し、新規のスペーサー材料の開発についても協議した。
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