2014 Fiscal Year Research-status Report
固形腫瘍の早期発見・増殖能診断を目的としたσ-2受容体イメージング剤の開発研究
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26860987
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小阪 孝史 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50579836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | σ-2受容体 / イメージング / vesamicol |
Outline of Annual Research Achievements |
固形腫瘍の早期発見・増殖能診断の手法を構築することを目的として、SPECT並びにPET用の新規放射性σ-2受容体イメージング剤の開発研究に取り組んでいる。本研究で最も重要な鍵となるのは、高親和性や高選択性を有する新規σ-2受容体リガンドの創製である。 本採択課題までに、新規vesamicol類縁体p-iodo-trans-decalinvesamicol (PIDV)を合成し、in vitroにおいて、PIDVがσ-2受容体に対して高い親和性と選択性を示すことを明らかにしている。本年度は、放射性ヨウ素標識したPIDVと腫瘍細胞を用いて、in vitro 及びin vivoにおけるPIDVの評価を行った。放射性ヨウ素標識は、o-trimethylstannyl-trans-decalinvesamicol(OTDV)を前駆体に用いて、一般的なスズ-ヨウ素交換反応による125I標識合成に成功した。次に、乳腺癌細胞MCF-7、及びヒト悪性黒色腫細胞A375を用いて、[125I]PIDVの細胞内取込実験を行った。その結果、MCF-7及びA375のいずれの腫瘍細胞においても、control群は高い[125I]PIDV細胞内取込量を示し、また、阻害剤haloperidolによって強く阻害されることが明らかになった。また、in vivo体内分布実験では、MCF-7及びA375のいずれの腫瘍細胞においても、腫瘍細胞に高い集積を示した。従って、放射性ヨウ素標識したPIDVが、σ-2受容体イメージング剤として高い可能性を有することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の土台となるべきリード化合物PIDVのσ-2受容体イメージング剤としての可能性を明らかにしたことは非常に重要である。この知見を基にして、今後の研究を発展させることが可能になったので、研究の第一段階での成果は順調に得られていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
σ-2受容体親和性・選択性の更なる向上を目的とし、PIDVの化学構造を基にした構造最適化を検討していく。新規デザイン化合物群を有機合成した後、それらのin vitroスクリーニングを行う。その結果に基づき、腫瘍細胞を用いた評価を行うか、もしくは更なる化合物構造の最適化を検討するかを判断する。
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Causes of Carryover |
細胞培養等実験に必要な器具や消耗品の使用期限の管理を理由として、それらの購入時期が次年度になった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
担癌マウスの準備などin vivo評価に必要な動物や腫瘍細胞、器具、消耗品などの購入や、有機合成に要する試薬の購入を計画している。また、実験成果の発表や情報収集を目的とした積極的な学会出席による旅費の支出も予定している。
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Research Products
(3 results)