2014 Fiscal Year Research-status Report
癌関連アミノ酸トランスポーターsystem ASC・N特異的腫瘍診断用薬剤の開発
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26860988
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西 弘大 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アミノ酸トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
1、腫瘍細胞で高発現が確認されている癌関連アミノ酸トランスポーターのsystem ASC、system Nに親和性を示すアミノ酸の探索を行った。System ASC、およびsystem Nを選択的に阻害する特異的阻害剤が発見されていなかったため、これまでは寄与の算出が不可能であった。System ASCについては、今回の探索においてもsystem ASCのみに高い親和性を示す物質の発見には至らなかったが、天然アミノ酸や既知の阻害剤の組み合わせによってSystem ASCの輸送寄与を算出することに成功した。また、system Nについてはヒスチジンの輸送に寄与することが判明した。今後はヒスチジンを基本骨格とした放射性薬剤の開発を検討していく予定である。
2、System ASC、system N特異的阻害剤を探索するために、化合物の輸送特性を評価するスクリーニング系を開発した。これまでアミノ酸トランスポーターの寄与はsystem Aとsystem A以外のナトリウム依存性輸送体、およびsystem Lとsystem L以外のナトリウム非依存性輸送体に分類されており、system A、system L以外の輸送体の寄与率を詳細に検討するのは困難であった。今回開発したスクリーニング系は、前述した既知の阻害剤の組み合わせを応用したもので、これまで不明であった輸送体の寄与を簡便な計算によって算出する手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究達成に必要なデータは順調に集まっており、学会や研究会での発表も行っている。 研究を進めていく上での憂慮事項は今のところ見当たらない。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度に見いだしたsystem ASC、system Nの阻害剤について、より詳細な輸送特性や親和性を検証する。 また放射性薬剤の骨格として使用する場合、代謝による構造変化が問題となるため、これらの候補化合物の代謝安定性を確認する。 さらに、腫瘍細胞におけるアミノ酸トランスポーターの発現量が、候補化合物の細胞内集積量に及ぼす影響を調べるため、アミノ酸トランスポーターの遺伝子発現量を定量解析する。
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Causes of Carryover |
学会出張費が所属研究室の分担金で支払われたため、H26年度は本助成金を旅費に使用する必要がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度からは動物実験も開始することになるので、飼料やその他消耗品、またイメージングのための簡易血糖測定器などにあてる予定である。
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Research Products
(2 results)