2015 Fiscal Year Annual Research Report
ホウ素中性子捕捉療法の普及を目指した[18F]FBPA新規標識合成法の開発
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26860994
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仲 定宏 大阪大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (60599843)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FBPA / BNCT / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、N-ベンジルオキシカルボニル-4-ボロノフェニルアラニン (Cbz-BPA)を前駆体として、18F-FBPAの収率向上を目指した検討を行った。 まず、従来の18F-FBPA合成法と同じ前駆体量(6 mg/mL)におけるTFA、酢酸、アセトニトリル、アセトン及びクロロホルムへの溶解性について確認した。その結果、TFA及びアセトンにおいては、従来法の前駆体濃度である6 mg/mLで完全溶解であったが、その他の溶媒では、1.5 mg/mLの濃度においても溶け残りが確認された。 次に、良好な溶解性を示したTFA及びアセトンを用いて、18F-CH3COOFとの反応性についてTLCによる検討を行った。クロロホルム/メタノール(1/1)にて展開した後、ラジオTLCアナライザーで、原点(18F-CH3COOF)及び展開したピーク(18F-標識体)の割合を測定し、Cbz-BPAに対する標識率を算出した結果、アセトンでは、60%程度、TFAでは90%以上の割合で18F-標識体を生成していることが確認できた。 これまでの結果から、TFAを溶媒として用いることが最適であると考え、さらにHPLCにより目的物であるCbz-18F-FBPAの定性およびその標識率を算出した。カラムは、YMC-Pack ODS-AQ (150*4.6 mm)を使用し、アセトニトリル/50 mM NaH2PO4(20/80)、流速1.5 ml/minにより分析を行った。その結果、90%以上の18F-標識体が得られたトリフルオロ酢酸を溶媒に用いたHPLC分析においてCbz-18F-FBPAが標識されていることが確認でき、その標識率は約35%であった。BPAからの18F-FBPA標識率(従来法)が30-40%であることから、今年度の研究成果として、今回の標識条件では、従来法と同程度の標識が可能であることが示された。
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Research Products
(1 results)