2014 Fiscal Year Research-status Report
食道癌に対する強度変調放射線治療と画像誘導技術を用いた高精度放射線治療体系の構築
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26861002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土井 歓子 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 寄附講座助教 (50723029)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食道癌 / 強度変調放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治癌のひとつである食道癌の生存率向上と、化学放射線治療後に問題となる晩期心呼吸器有害事象低減に貢献する有効かつ安全性の高い放射線治療の確立を目指すために、強度変調放射線治療技術と画像誘導放射線治療技術を駆使した最新高精度放射線治療法を開発研究を行う。まず、食道癌に対して安全かつ正確な強度変調放射線治療を行うためには、病変および食道の呼吸性移動の正確な評価検討および最適な治療計画方法の確立が重要である。初年度は食道の位置精度評価を中心に検討を進めた。 具体的には食道病変周囲に内視鏡にて留置されたクリップの自由呼吸下および呼気停止下での移動距離を計測する方法で行った。自由呼吸下の評価として4次元CTを、呼気停止下の評価として放射線治療装置に装填されているcone beam CTを用いた。 結果は、自由呼吸下の評価では、胸部上部食道で2mm~7mm程度、胸部中部病変で2mm~8mm程度、胸部下部病変で4mm~12mm程度の位置移動があった。また、呼気停止下の評価では、胸部上部食道で2mm~4mm程度、胸部中部病変で1.5mm~4.5mm、胸部下部病変2.5mm~5mm程度の位置移動があった。この結果より、自由呼吸下よりも呼気停止下で食道の位置誤差が少なくなり、より狭い範囲で効率的な放射線治療が出来ることがはっきりとした。また、位置誤差を明確に計測できたため、放射線治療時に必要とする照射野マージンも算出できた。今後はこの結果を踏まえて、実際の放射線治療の可能性に関してシミュレーションしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ集積は順調であり、次のステップへ移行できるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
データを解析し、食道癌に対する有効な高精度放射線治療の可能性に関して、治療計画装置上でシミュレーションし検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
妊娠がわかり、11月に出産後は当面育児に専念していたため、研究を行うことが出来ず、利用計画通りの予算執行が出来なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究を再開し、解析用ソフトウエアの購入や関連学会への参加費用として使用する予定である。
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