2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of adaptive radiation therapy using kV cone beam CT
Project/Area Number |
26861007
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大野 剛 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (20646971)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CBCT / 画像再構成 / 線量分布計算 / モンテカルロ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2. モンテカルロシミュレーションを用いた散乱線除去法の開発:モンテカルロ法により,1次線と散乱線の分離を行い,頭部,胸部,腹部撮影における散乱成分の抽出を行った.また撮影範囲に対して,治療用ベッドが占める範囲が大きい胸部,腹部撮影では,モンテカルロシミュレーション内で治療用寝台を作成し,寝台からの散乱線成分の計算も行った.加えて,機器で初期値に設定されている撮影条件では,X線の実効エネルギーが低いため,診断用X線に比べて多くの散乱線が発生していることが明らかとなった.よって,診断用X線に近いエネルギーにするため2mm厚のアルミニウムを付加した.一方で,デフォルトの条件と異なる管電圧,管電流,ボウタイフィルタでは撮影条件による散乱線の変化が大きいため,デフォルト条件での散乱線成分を減算した場合,反対に画質が低下することがあった.
3. 散乱線除去法と逐次近似法を併せた画像再構成法の開発:逐次近似再構成法に2の散乱成分を減算して求めた1線画像を組み合わせることで,画質の向上を図った.ファントムでは画質向上が見られた.特に均一性は元のCBCT画像に比べて大きく向上した.一方,人体においては患者間で画質の変化が激しく,症例によっては画質が低下するものもあった.今後の課題として,より多くの症例を集め,多くの患者に適応可能なフィルタの開発が必要であった.加えて,本手法は散乱線成分を減算するものであるため,管電流が低い場合は,ノイズの増加が顕著であり,撮影した管電流による散乱線成分の増減を考慮する必要があった.
4. 画質改善したコーンビームCTによる適応放射線治療への応用:ファントムにおいては,CBCT画像に比べて,CT値の安定性の向上が見られた.またこれにより,CBCTでは低下した線量計算精度も向上した.一方で人体では3で述べたように患者間での変化があり,十分な計算精度を得るためには,フィルタの改良が必要であった.
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