2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノダイヤモンドを用いた新規MRI造影剤のMRリンパ管造影への応用
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26861019
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 知博 東海大学, 医学部, 講師 (30710983)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノダイヤモンド / 造影剤 / MRリンパ管造影 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ系の画像化は,血管系の画像化に比べて大きく遅れをとっている。その中にあって核磁気共鳴画像法( M R I )を用いたリンパ管造影( M Rリンパ管造影)が,近年の画像技術の進歩に伴い注目されている。本研究は、生体適合性が高く化学的に安定なナノダイヤモンド(Nd) とGd-DTPAとの結合物質(Gd-DTPA-Nd)をMRリンパ管造影に応用することを目的としている。そのために、平成26年度はGd-DTPA-Ndを用いたMRリンパ管造影を臨床応用に展開するため、以下の2点の基礎的検討を行った。 (1)Gd-DTPA-Ndの特性評価のため,in vitroでGd-DTPAとの造影能の比較を行った。 臨床で用いられているMRI装置でGd-DTPA-ND分散液のT1強調画像を撮影したところ、Gd-DTPA-ND分散液は既存のMRI造影剤よりも低いGd濃度でも高い信号強度を示すことが証明された。 (2)安全性を確認するための細胞生存性の比較 HEP G2 cellを用いて既存の細胞外液性造影剤であるGd-DTPAとGd-DTPA-Ndとで細胞生存性の比較試験を行った.この試験では,Gd-DTPAとGd-DTPA-NDとの間に差は認められなかった。 以上のことから,Gd-DTPA-NDが高い造影能を有し,かつ安全であることが確認された.今後,MRリンパ管造影に適した新規MRI造影剤の動物実験を含む検討が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、平成26年度で予定していた基礎的検討は終了しつつある。ただし、動物実験申請に予定より時間を要している。すなわち、東海大学伊勢原研究推進部生命科学統合センター動物部門に、動物実験の詳細について相談し、申請をしているが、申請許認可にやや時間を要している。しかし、これについても2週間以内に認可されることがすでに内定されている。以上から、全体の状況としては、概ね順調な進展と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、動物実験を行う。動物実験は、東海大学伊勢原研究推進部生命科学統合支援センター動物部門で動物実験の支援を得て行う予定である。現在、動物実験申請が進展中である。
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Causes of Carryover |
in vitroの試験は概ね順調であった。しかし、動物実験申請に予定していたより、時間を要している。このため、本年度に予定していた動物実験ための物品費が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に予定している動物実験のための物品費と合わせて使用する。
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Research Products
(11 results)