2014 Fiscal Year Research-status Report
At-211を用いる内用放射線治療に適した抗体フラグメント標識薬剤の開発
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26861025
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 博元 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00707648)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アスタチン-211 / 内用放射線治療 / 抗体フラグメント |
Outline of Annual Research Achievements |
アスタチン-211(211At)によるがんの内用放射線治療の実現に向けて、本課題では抗体フラグメントの211At標識薬剤開発を計画した。 本課題では、211Atと安定に結合できる標識部位が薬剤の構成単位の一つとして重要である。従来の放射性ハロゲン標識と同様のbenzoate誘導体を用いる手法で作製した211At標識体は安定性が低いことが報告されていることから、当初の予定通り標識部位としてcloso-decaborate(2-)を有する基本骨格を合成した。一方で、C-At結合による安定な211At標識法を開発できれば、より低分子の生体分子に対して、その構造変化を最小限に211Atを導入することが可能となるため、211At標識薬剤の汎用性が大きく向上する。そこで、芳香環を有する2種のモデル化合物(At-Bn-COOH, At-Ph-COOH)の合成を行った。両化合物はスズ-ハロゲン交換反応により放射化学的収率75%、45%でそれぞれ得られた。その後の安定性の検討から、At-Bn-COOHが薬剤の基本骨格として有用であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規標識部位の検討、および今後の評価実験に用いる候補化合物を研究課題に追加して実施したことで、やや計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究において、211At標識抗体フラグメント投与後に放射性代謝物として遊離することが予想される基本骨格の合成を終え、標識条件についても検討できた。抗体と標識部位との間に導入するリンカーについても合成を終えていることから、リンカーの選抜試験へと移行する。選抜したリンカーを有する211At標識薬剤を作製し、評価実験に移行する。
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Causes of Carryover |
抗体とのconjugateの作製までを今年度に予定していたが、研究の進捗状況がやや遅れたことから今年度の購入を見送ったため、残予算が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
標識薬剤の合成に用いる試薬や抗体などの購入、放射性ヨウ素、実験消耗品、および実験動物の購入に充てる予定である。また、これまでの研究成果を発表するために国内外の学術会議への参加費にも研究費を充てる予定である。
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Research Products
(1 results)