2014 Fiscal Year Research-status Report
Luminex法を用いた臓器移植後抗HLA抗体の慢性拒絶反応における役割の解明
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26861036
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, 助教 (50581641)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝移植後抗HLA抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度においては、研究計画通り、当施設通院中の臓器移植患者に対し横断的に血清サンプルを採取・保存し、その一部の検体に対してLuminex法を用いた抗HLA抗体測定を行った。引き続き血清サンプルの採取・保存を継続するとともに、残りの検体の解析も進めていく予定である。 当初の研究計画からの変更点としては、抗HLA抗体測定を他施設に依頼したことと、支給された研究費に合わせて肝・膵・腎移植患者のうち小児肝移植患者を優先的に対象とした2点が挙げられる。前者変更の最も大きな理由は、限りある研究費で可能な限り多くの測定を行うため、既に抗体測定に習熟している施設に依頼することにより検査にかかる費用を抑えることである。後者変更は、期間内に研究を遂行するために優先順位を付けたことによるが、今後、研究進行状況に合わせて膵・腎移植患者においても検討を進めていくことを予定している。 現在までに8割程度に当たる56名分の解析を既に終えている状況である。測定結果の詳細な解析は平成27年度に行う予定としているが、対象患者からの同意の取得、血清サンプルの適切な採取・保存、さらには抗HLA抗体測定に関連する施設間の契約を含め、いずれにも問題は認めておらず、概ね予定通りと言える状況である。 抗HLA抗体の経時的変化や慢性拒絶を始めとする臨床経過との関連に関する解析については平成27年度以降の課題であるが、小児肝移植後長期経過例における抗HLA抗体保有率に関しては既に得られた結果を集計・解析することにより、十分情報発信していけるものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理委員会における研究承認、患者からの同意取得、さらには抗HLA抗体測定に関する契約が速やかに行われたことにより、予定された研究が概ね行われたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降の課題として、当科外来への受診頻度が低い患者における同意の取得および血清サンプル採取・保存が挙げられ、未採取となっている患者も一定数いるが、平成26年度と同様、丁寧に同意を取得しつつ検体採取を進めていく予定である。 また、一部の患者においては、ドナーHLA抗体のより詳細な解析を行うために、移植ドナーからの血液サンプルを採取することも検討している。
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Causes of Carryover |
抗HLA抗体測定に要した費用の端数として次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き抗HLA抗体測定のために使用することを予定している。
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