2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of drug resistance of Wnt5a positive breast cancer and its application to anticancer therapy
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26861049
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
梶谷 桂子 (滑川桂子) 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (30700041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Wint5a / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
Wntシグナル経路は、β-カテニンを介し多くの遺伝子発現を制御するβ-カテニン依存性経路と、PCP経路、Wnt/Ca2+経路からなるβ-カテニン非依存性経路の二つに分類される。Wnt5aはβ-カテニン非依存性経路の代表的なリガンドであり、JNKなどを介して細胞運動や細胞極性などに関与することが明らかになっている。Wnt5aの発現は胃癌、前立腺癌や悪性黒色腫、非小細胞肺癌においては悪性度や細胞浸潤、転移と関連していることが報告されている。我々は、浸潤性乳癌症例178例に対して免疫組織化学染色によって、Wnt5aの発現とestrogen receptor (ER) , human epidermal growth factor receptor -2 (HER-2)などの臨床病理学的因子との関連性を検討した。その結果、 (1)178例中、Wnt5a陽性乳癌は69例(39%)であり、Wnt5a発現とER陽性とは強く相関し (P<0.001)、ER陰性乳癌にはWnt5aはほとんど発現していなかった。 (2)ER陽性乳癌153例におけるWnt5a発現と悪性度の関係を解析したところ、リンパ節転移(P<0.001)、核グレード(P=0.004)、リンパ管侵襲(P=0.002)との間に有意な相関を認めた。 (3)無再発生存期間を比較すると、Wnt5a陽性乳癌はWnt5a陰性乳癌よりも短かった(P=0.036)。W以上のことから、Wnt5aはERの発現と相関が強く、ER陽性乳癌においては予後予測因子となることが明らかになった。Wnt5aをターゲットにした治療法の開発については現在実験中であるが、抗エストロゲン剤であるタモキシフェンによりWnt5aの発現が減少することが我々の実験で明らかになっており、今後の解析が待たれる。
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Research Products
(1 results)