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2014 Fiscal Year Research-status Report

肝細胞癌進展におけるポリコーム蛋白を介したマイクロRNAの作用機序解明

Research Project

Project/Area Number 26861050
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

増田 稔郎  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (50551256)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
KeywordsZeste Homolog 2 / 肝細胞癌 / マイクロRNA / 細胞周期
Outline of Annual Research Achievements

【背景と目的】ポリコーム複合体を構成するポリコーム蛋白の1つであるEnhancer of Zeste Homolog 2(EZH2)は、ヒストン3リジン27をトリメチル化することで癌抑制遺伝子や細胞周期制御に関わる遺伝子などの標的遺伝子の発現を抑制することにより、がんの発育、進展に関わることが報告されている。更に近年マイクロRNAによるエピジェネティックな遺伝子発現制御機構の関与が明らかにされつつあり種々の癌種でマイクロRNAによるEZH2の制御機構が明らかになっているが、肝細胞癌におけるマイクロRNAによるEZH2の発現制御機構は明らかでない。本研究では、肝細胞癌におけるEZH2の標的遺伝子、およびEZH2の発現を制御するマイクロRNAを同定することを目的とした。
【方法と結果】肝細胞癌細胞株HLEを用いてsiRNAによるEZH2の発現を抑制し、細胞周期、上皮間葉転換、血管新生に関わる遺伝子群の発現変化を比較し、肝細胞癌におけるEZH2のターゲット遺伝子の検索を行った。その結果、癌抑制遺伝子であるp16INK4aと上皮間葉転換に関与するE-cadherin(CDH1)の著明な発現上昇を認めた。更に、PCR arrayを用いてEZH2発現誘導に関与するmicroRNA(miR)の検索を行った。肝細胞癌細胞株の中でEZH2高発現株であるSKHep1・HLEと、EZH2 低発現株であるPLC・HLFの4つの細胞株に対して328種類のmiRをターゲットとしたPCR arrayを行った。SKHep1・HLEにて低発現、PLC・HLFにおいて高発現であるmiRのうち、3倍以上の差があるものをpick upし、更にin silicoにおいてEZH2の3’-UTRとの結合能を有するmiRを選択した。これによりEZH2を制御するmiRの候補としてmiR-32、miR382が抽出された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1、細胞株を用いたmicroRNAのデータを用いてEZH2発現を制御する候補となるmicroRNAを抽出し、それぞれの候補microRNAについて標的遺伝子の3’-UTRに相補的な配列を持つmicroRNAを同定した。
2、細胞株を用いたmicroRNAの発現抑制、過剰発現を行った機能解析を行い、EZH2を中心とした下流の遺伝子発現の変化を確認、また、microRNAによって制御される現象変化を確認する事が当初の予定であった。
3、ヒトの肝細胞癌に対する肝切除症例を用いてmicroRNAの癌部、非癌部での発現の違い、また、予後やその他臨床病理学的因子との相関関係について検討を行う予定であった。
2,3に関して達成目標に到達しておらず、やや遅れていると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

1、肝細胞癌進展におけるmiR32/382の機能解析
当科にて所有している肝細胞癌細胞株8 株を用いてmiR32/382の過剰発現及び発現抑制の実験を行う。miR32/382をターゲットとしたpre-miR/anti-miRを肝細胞癌細胞株にトランフェクションし、controlと比較することでその機能解析を行い、MTT assayにて増殖能、invasion assayにて浸潤能、scratch assayにて遊走能に与える影響を明らかにする。また、FACSを用いた解析を行う。PI染色・AnnexinⅤ染色・FACS解析を行うことで、アポトーシス細胞を検出し、miR32/382がアポトーシスに与える影響を分析する。細胞固定後にPI染色細胞を行いFACS解析を行うことで細胞周期に与える影響を検討する、
2. miR32/382によるEZH2、p16INK4a/E-cadherin (CDH1)の制御機構解明
我々の基礎実験結果から、siRNAを用いたEZH2発現抑制時に、p16INK4aとCDH1の発現の著明な上昇が誘導されることが分かっている。これは、EZH2 がヒストンのメチル化を介してこの2 つの遺伝子の発現を抑制していることを示唆する。また、EZH2を制御するmiRの絞込みによりmiR32/382がEZH2を抑制的に制御していると考えられる。まず、pre-miR を用いたmiR32/382過剰発現細胞株における、EZH2発現低下、およびp16INK4a、CDH1の発現上昇を確認し、anti-miRを用いてその逆の変化を確認する。

Causes of Carryover

当初の目的である、マイクロRNAの発現抑制、過剰発現を行った機能解析が思うように進まなったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

研究体制の改善を図り、昨年度の遅れを取り戻すためにも、マイクロRNAの発現抑制、過剰発現を行った機能解析について研究を進める。そのための試薬購入費に充てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] Angiopoietin-like protein 2 renders colorectal cancer cells resistant to chemotherapy by activating spleen tyrosine kinase-phosphoinositide 3-kinase-dependent anti-apoptotic signaling2014

    • Author(s)
      Horiguchi H, Endo M, Miyamoto Y, Sakamoto Y, Odagiri H, Masuda T, Kadomatsu T, Tanoue H, Motokawa I, Terada K, Morioka MS, Manabe I, Baba H, Oike Y
    • Journal Title

      Cancer Sci

      Volume: 105(12) Pages: 1550-9

    • DOI

      10.1111/cas.12554

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Splanchnicectomy for pancreatic cancer pain2014

    • Author(s)
      Masuda T, Kuramoto M, Shimada S, Ikeshima S, Yamamoto K, Nakamura K, Baba H
    • Journal Title

      BioMed Res Int

      Volume: 2014 Pages: 941726

    • DOI

      10.1155/2014/941726

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Sarcopenia is a prognostic factor in living donor liver transplantation2014

    • Author(s)
      Masuda T, Shirabe K, Ikegami T, Harimoto N, Yoshizumi T, Soejima Y, Uchiyama H, Ikeda T, Baba H, Maehara Y
    • Journal Title

      Liver Transpl

      Volume: 20(4) Pages: 401-7

    • DOI

      10.1002/lt.23811

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2016-06-01  

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