2014 Fiscal Year Research-status Report
Genetic profileに基づいた大腸癌肝転移に対する化学療法の効果予測
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26861063
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
進藤 潤一 公益財団法人冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (90701037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / 化学療法 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は遺伝学的背景に基づく大腸癌肝転移の化学療法の効果予測の検討の第1段階として、網羅的遺伝子解析の対象となる術前化学療法へのgood responderおよびpoor responderを選別し、臨床データのまとめおよび凍結検体からの腫瘍DNA抽出を行った。ゲノム研究倫理申請および遺伝子検査のための試薬調整に予想以上に時間がかかり、初年度の進捗状況としては予定よりもやや遅れている状況にはあるが、腫瘍DNA抽出はおおむね完了に近づいており、遺伝子解析自体はは1-2か月以内に完了できる見込みである。
平成27年度は、ターゲット遺伝子が確定した上で今後は臨床像との相関を見ていくことになる。対象となる症例のリストアップはすでに完了しており、各症例の化学療法に対する病理学的、放射線学的レスポンスの評価も放射線科医、病理医の協力のもとに平成26年度中にすでに完了した。この結果はすべてデータベースとして確立しており、遺伝子解析の結果をもとにすぐに臨床像との相関を評価できる体制にある。またデータベース作成の過程において、化学療法に対する大腸癌肝転移の「形態学的反応」(Chun YS, JAMA 2009, Shindoh J, J Clin Oncol 2012)の予後因子としての重要性を証明するため、東京大学および虎の門病院の大腸癌肝転移切除例を用いてretrospectiveにvalidation studyを行い、過去の報告とほぼ同等の結果が確認できる旨を英文誌に報告した(Nishioka Y, Shindoh J, et al. J Gastrointest Surg 2015 in press)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム研究に関する施設の倫理審査および業者の試薬調整に予想以上の時間がかかり、研究の第一段階である遺伝学的背景の検索の最終段階がまだ完了していない。 本年度は研究体制の確立をまず行い、遺伝子変異検索の対象となるサンプル症例の選別、即ち化学療法に対するgood responderおよびpoor responderの選定、および同症例の凍結保存検体からの腫瘍DNA抽出までをおおむね完了した。今後1-2か月以内に遺伝子変異検索は完了する見込みであり、その結果に基づいてターゲット遺伝子を絞り、治療応答性に関係する遺伝子変異の検索およびvalidation作業を進める。また本年度は化学療法を受けた後に切除へ進んだ症例のリストアップを行い、病理学的奏功、放射線学的奏功を病理医、放射線科医の協力をもとに全例blindで評価を完了した。すでにこれらはデータベース化されており、遺伝学的背景さえわかればその臨床的意義の評価がすぐにできる体制が整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き遺伝子検索第一段階の最終作業を継続し1-2か月以内にターゲット遺伝子を確定する。結果に基づいて50-100例程度を対象に、研究の第2段階である遺伝子変異と臨床像との関連の検索を開始する。研究の推進に当たっては、遺伝学的検索以外の部分に関してはすでに症例のリストアップおよび病理学的・放射線学的評価が完了しており、遺伝学的背景のチェックが進めば、その臨床的意義の検討にすぐ入れる体制が整えられている。
また予算の関係上、ある程度の対象症例数の絞り込みを行わざるを得ない可能性があるため、同様の研究を並行して進めている米国MD Anderson Cancer Centerに共同研究としての協力を仰ぐ予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に予定していた遺伝子解析が遅れており、解析に必要な必要物品(試薬)の最終的な購入費に関して未確定の部分がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度中に初年度に予定していた遺伝子解析は終了するため、解析に必要な試薬の購入に全額使用される。
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[Journal Article] Radiological Morphology of Colorectal Liver Metastases after Preoperative Chemotherapy Predicts Tumor Viability and Postoperative Outcomes2015
Author(s)
Nishioka Y, Shindoh J, Yoshioka R, Wataru G, Abe H, Okura N, Yoshida S, Oba M, Hashimoto M, Watanabe g, Hasegawa K, Kokudo N
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Journal Title
Journal of Gastrointestinal Surgery
Volume: 未定
Pages: 未定
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant