2014 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌腹膜播種に対するアデノウイルスベクターを用いたSOCS-1による遺伝子治療
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26861070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中塚 梨絵 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50621025)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 胃癌 / SOCS1 / 腹膜播種 |
Outline of Annual Research Achievements |
(背景・目的)胃癌腹膜播種は胃癌の死亡の約半数で認められ、極めて難治性の高い疾患である。これまで、腹腔内化学療法や温熱化学療法、外科治療などの治療成績が報告されてきたが、満足のいく成績ではなくいまだに標準的な治療法は存在しない。Suppressor Of Cytokine Signaling (以下SOCS)は、細胞間情報伝達物質であるサイトカインの制御を担っている分子でありJAKを競合的に阻害する作用を持つ。多くの胃癌においてJAK/STATシグナル伝達経路が過剰に亢進しがん細胞の増殖に関与している。本研究では、胃癌腹膜播種モデルを作成し、SOCSを組み込んだアデノウイルスベクターを用いた腹腔内治療の有用性について検討した。 (結果)①胃癌細胞株に対するin vitroでのSOCS1治療効果:胃癌腹膜播種形成株6種類のうちで、3種類の胃癌細胞株(AGS,MKN45,KATO-Ⅲ)において、SOCS1の遺伝子治療に応じて細胞増殖の抑制効果が得られた。caspase-3の活性が上昇し、apoptosisが誘導されていることが示された。②アデノウイルスベクターを用いた腹膜播種モデルに対するSOCS1遺伝子治療:胃癌細胞株を腹腔内に移植後、in vivo real time imagingにて腹腔内播種を確認し、2群(投与群、非投与群)に分け、治療を行った。それぞれ腹腔内にルシフェリン基質を注入し光量を測定することで腫瘍効果を検討した。治療開始時、5週目では差がなかったものの7週目において、両群の間に有意な光量の差を認めた。また、病理学的にも、治療群にて腹膜播種病変の細胞死の変化を認めた。治療後の生存曲線を検討した結果、治療群において、延長効果を認めた。 (結語) 胃癌腹膜播種モデルマウスに対するアデノウイルスベクターを用いたSOCS分子による遺伝子治療の有用性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Gene therapy for peritoneal dissemination model of gastric cancer using SOCS-1 by Adenoviral Vector2014
Author(s)
Nakatsuka R, 'Takahashi T., Serada S., Fujimoto F., Souma Y., Miyazaki Y., Kurokawa Y., Yamasaki M., Miyata H., Nakajima K., Takiguchi S., Mori M., Doki Y., Naka T.
Organizer
AACR Annual Meeting 2014
Place of Presentation
San Diego、USA
Year and Date
2014-04-05 – 2014-04-05
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