2015 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン修飾系を標的とした新たな癌治療法の臨床導入を目的とした研究
Project/Area Number |
26861093
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
右田 和寛 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40570990)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | E3ユビキチンリガーゼ / 胃癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍におけるRing box protein-1 (RBX1)の役割および治療標的としての意義を検討した。術前未治療胃癌145例の切除標本を用いて免疫組織染色を行い、RBX1発現レベルと臨床病理学的因子、予後との関連を検討した。RBX1発現レベルは壁深達度、遠隔転移、静脈侵襲と有意に関連していた。RBX1高発現例は低発現例と比較し、生存期間は有意に短く、多変量解析ではRBX1発現レベルは独立予後規定因子であった。また、RBX1陽性率はKi67陽性率と有意な正の相関を示した。以上のことから、RBX1はヒト胃癌の増殖、浸潤、転移に関連し臨床的意義を有することが判明した。続いて、ヒト胃癌細胞株のRBX1発現をsiRNAでノックダウンし、増殖能、転移能、薬剤治療抵抗性について検討した。RBX1ノックダウン細胞はコントロールと比較して細胞増殖が有意に抑制された。RBX-1ノックダウンによって、p21の蓄積が生じ、腫瘍細胞の細胞周期停止が誘導された。また、RBX1ノックダウンにより、細胞遊走能が有意に低下した。さらには、RBX1ノックダウンにより5-FUに対する感受性が改善された。以上の結果から、RBX1は腫瘍の増殖、転移、抗癌剤治療抵抗性に関与し、新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)