2015 Fiscal Year Research-status Report
獲得免疫による再発予防を目指したT細胞不活化制御による新規集学的治療戦略の開発
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26861094
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
安田 里司 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30721576)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵癌 / 腫瘍免疫 / メモリーT細胞 / 術前治療 / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は(1)膵癌患者の臨床検体を用いてメモリーT細胞のマーカーであるCD45ROの免疫染色を行い,化学療法や放射線療法など術前治療によるメモリーT細胞の誘導の有無を検討する. (2)PD-1経路を中心としたT細胞不活化経路の阻害による術前免疫療法が,腫瘍特異的なメモリーT細胞の誘導を促進させることを動物腫瘍モデルで検討する. (3)上記のモデルを用いて,術前免疫療法と術前化学療法,放射線療法との併用により,腫瘍特異的なメモリーT細胞を相乗的に誘導することを検討し,また腫瘍切除後の腫瘍再接種による生着,あるいは肝転移を相乗的に抑制することを明らかにする. (4)上記にて誘導されたメモリーT細胞を同系担癌免疫不全マウス(Rag ko)に養子移入し,抗腫瘍効果および再発・転移抑制効果を検証する. 現段階では膵癌根治切除術を施行した症例の切除検体を用いて,免疫染色を施行し術前治療の有無によるメモリーT細胞を始めとした各リンパ球の浸潤を検討中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在,当科において膵癌根治切除術を施行した検体を用いて腫瘍浸潤リンパ球の免疫染色を行っている.現在Tリンパ球のうちのCD4陽性,CD8陽性リンパ球の染色を行い,細胞数をカウントし術前治療の有無による違いを検討中である.
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト検体により,術前治療の有無による腫瘍浸潤リンパ球の違いがあるか確認したのち,マウスを用いた動物実験によりT細胞不活化経路の阻害治療による腫瘍浸潤リンパ球の促進を検討する.
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Causes of Carryover |
実験結果が不十分であり,施行予定であった実験が一部行えておらず,その研究費用を次年度に使用する予定である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
マウス・膵癌細胞株の購入,阻害抗体の購入,器具の購入など.
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