2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861103
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 文彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90573428)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 胃癌 / HOXB9 / 上皮間葉移行 / 血管新生 / リンパ管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
<臨床病理学的研究>慶應義塾大学病院一般・消化器外科にて保有する胃癌切除検体(病理診断の支障とならないように採取した2-3mm大の組織)を用いて、リンパ管マーカーであるD2-40を用いてLymphatic vessel density (LVD)の評価を行い、HOXB9陰性検体とHOXB9陽性検体で比較を試みた。抗体を用いて免疫染色を行うと、我々が保有している検体には主に粘膜が含まれており粘膜下層に多く発達するリンパ管の数をカウントすることは困難であった。HOXB9陽性が予後増悪因子であることは既に得られている結果である。我々はさらにCox proportional hazard modelを用いて全生存期間に関する予後解析を行った。HOXB9陽性・腫瘍深達度・リンパ節転移・pStage・リンパ管浸潤・静脈浸潤・組織型のうち、予後を増悪させる因子として有意であったのはpStage(Hazard Risk=10.04, p=0.028)、次いでHOXB9陽性(Hazard Risk=3.67, p=0.097)であった。この2つの因子に対し多変量解析を行ったが、いずれも有意な独立予後規定因子とはならなかった。 <In vitro>HOXB9発現調節胃癌細胞であるTMK-1/HOXB9、MKN-74/HOXB9を用いて、上皮間葉移行のマーカー(E Cadherin, N Cadherin, Vimentin, Snail, Slug, Twist)の発現亢進を評価した。TMK-1においてHOXB9発現によりSnailの発現は亢進したが、その他のマーカーには変化がなかった。MKN-74においてはマーカーの変化はなかった。MKN-74に対しScratch Assayを用いて細胞遊走能の変化の評価を行ったところ、HOXB9発現による遊走能の亢進が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)胃癌臨床検体におけるHOXB9の発現の確認を行う。HOXB9陽性群と陰性群でlyやvといった脈管浸潤や予後を含めた臨床病理学的患者比較を行う。→現在仮説通りの結果が得られている。また血管新生およびリンパ管新生の比較を行う。→現在保有している臨床検体では評価が難しいかもしれない。病変部を全層にて採取した検体にて評価することを検討中である。 (2)胃癌培養株を用いて上皮間葉移行(EMT)の誘導およびその阻害による増殖能・遊走能・浸潤能の変化・修飾を検討する。→HOXB9によるEMTの誘導に関しては現時点ではしめすことができていない。遊走能の亢進は、Nを増やして実験を継続する予定である。Invasion Assayによる浸潤能の評価・血管新生マーカーおよびリンパ管新生マーカーの変化の評価が今後の課題である。 (3)免疫不全マウスに胃癌細胞株を移植し、EMTを誘導することにより腫瘍の増大、血管新生、リンパ管新生がどう変化するかを調べる。→未達成であり、来年度の課題とする。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き現在の体制で実験を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
効率的な物品調達を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度の実験費用として使用する予定である。具体的にはマウスの購入、エサ代、培養液、プライマー、免疫染色に用いる抗体、その他試薬代として用いる。
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Research Products
(1 results)