2014 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドワクチン療法における免疫抑制解除と免疫賦活の分子機構の解明
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26861105
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松枝 智子 久留米大学, がんワクチンセンター, 講師 (60610582)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫機能解析 / がん / がんペプチドワクチン / 免疫賦活 / 細胞性免疫応答 / 液性免疫応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではペプチドワクチン療法におけるシクロホスファミド併用の効果を免疫抑制解除と免疫賦活の分子機構に着目して解明し、今後のがん免疫療法分野の発展に有用な科学的基盤を築くことを目的とした。臨床的アプローチとして、シクロホスファミドとがんペプチドワクチン療法の併用療法を受けた胆道がん患者から採取された末梢血リンパ球(PBMC)を用いて、IFN-γELISPOT法により投与ペプチドに対する細胞傷害活性(CTL)を解析した。ペプチド特異的CTL反応が陽性の患者群において生命予後が延長することが示唆された。シクロホスファミド併用群とがんワクチン療法併用とがんワクチン療法単独群における生命予後への影響を解析したところ、がんワクチン療法とシクロホスファミド併用群では生命予後が延長する可能性が示唆された。 また、ペプチドワクチン療法およびシクロホスファミド併用によるT細胞表面分子(CD4、CD8、CD45RA、BTLA、LAG3、CTLA4、PD-1等)の変化をフローサイトメトリーにより解析した。がんワクチン単独群またはシクロホスファミド併用群におけるワクチン投与前・後での細胞表面分子の発現に有意な差は見られなかったが、ワクチン投与後ではシクロホスファミド併用群においてCD8の発現が単独群よりも有意に高く、特にCD45RA+CD8+が有意に高いことが示唆された。 さらにシクロホスファミドのがんワクチンにおける免疫応答への作用機序を解明するためのマウスモデルの確立に着手した。マウスを用いた腫瘍モデルおよび特異的細胞傷害活性の評価系を確立した。
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