2014 Fiscal Year Research-status Report
新たな免疫制御細胞に着目した悪性胸膜中皮腫に対する複合免疫療法の開発
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26861118
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田川 哲三 九州大学, 大学病院, 助教 (90419557)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 免疫療法 / 胸水 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、① ヒト胸水および腫瘍からのリンパ球分離、フローサイトメトリーによるリンパ球の表面抗原解析を行う実験系を確立すること ② マウス胸腔内に悪性胸膜中皮腫細胞株を接種し、同所性悪性胸膜中皮腫モデルを作成すること、および、マウス胸水、腫瘍からのリンパ球分離、フローサイトメトリーによるリンパ球の表面抗原解析を行う実験系の確立 を目的とした。 ① まず、胸水の貯留した悪性胸膜中皮腫患者からの胸水を回収するために、九州大学医系地区部臨床研究倫理審査委員会に、研究計画書「悪性胸膜中皮腫および原発性肺癌患者の腫瘍局所における免疫細胞の解析」を提出し、研究実施の許可を得た。その後、患者胸水を採取し、比重遠心法によりリンパ球の分離を行い、腫瘍組織からはコラゲナーゼを用いてリンパ球を分離し、フローサイトメトリーによる表面抗原の解析を試みた。 胸水中には、好中球およびマクロファージなどの炎症細胞が多く、リンパ球分画はわずかであった。また、腫瘍組織については、組織量が少なかったため、分離した浸潤リンパ球が少なく、表面抗原の解析を行うことができなかった。 ② マウス胸腔内にマウス悪性胸膜中皮腫細胞株を接種することにより、同所性悪性胸膜中皮腫モデルの作成を行った。腫瘍接種直後、接種後3、7、10、14日目にマウスを犠牲死させ、胸水の貯留経過、腫瘍の発育について観察した。接種7日目より胸水の貯留を認め、接種14日目には、胸腔内は血性胸水が充満し、腫瘍塊の形成を認めた。次に細胞株接種後のマウスの生存日数を観察したところ、21日目には全てのマウスが死亡し、これまでの同所性悪性胸膜中皮腫モデルと同様の経過をたどることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト胸水からのリンパ球分離・解析の実験系を確立することはできたが、リンパ球の数が少なく、表面抗原解析が行えなかった。 マウス同所性悪性胸膜中皮腫モデルを作成し、胸水を解析する実験系を確立することができた。しかし、胸水からのリンパ球分離、表面抗原の解析を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス胸水中のリンパ球を解析する。また、ヒト胸水、腫瘍からのリンパ球分離の手法を確立する。
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