2014 Fiscal Year Research-status Report
抗体療法併用NKT細胞治療による新規複合免疫療法の開発研究
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26861119
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鎌田 稔子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60586692)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NKT細胞 / PD-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
NKT細胞表面上のPD-1とPDL1の相互作用を阻害する抗体を使用した際の、NKT細胞の機能の改善を検討し、癌に対するNKT細胞免疫治療に抗PD-1/PDL1抗体を併用した新規治療の開発をすすめている。昨年度は主に、健常人の検体を中心にin vitroの解析を行った。 1 健常人及び原発性肺癌患者の末梢血中のNKT細胞上のPD-1の発現の解析を行った。また、健常人及び肺癌患者14例において、IL-2及びGM-CSFを用いて、αGalCerパルス樹状細胞を培養し、末梢血より分離した単核球と共培養する際に抗PDL1抗体またはcontrolを加え、NKT細胞の増殖をday7及びday14に検討した。同様の系でNKT細胞を培養し、単離した後に抗PDL1抗体を併用して再刺激した際のサイトカイン産性能を健常人6例で検討した。IFNγ、TNFα、IL-2、IL-4などの産生をmultiplexに解析した。さらに抗PDL2抗体、抗PD-1抗体を使用した際の変化と比較検討をおこなった。 2 上記と同様に抗PDL1抗体を併用して培養し、単離したNKT細胞の抗腫瘍活性の検討を行った。健常人2例のNKT細胞でK562細胞株、Jurkat細胞株、A549肺癌細胞株、H460肺癌細胞株に対する抗腫瘍効果をLDH assayで測定し、さらに産生されるPerforinやGranzymeなどの分子の量も比較検討した。 3 luciferaseを遺伝子導入したA549肺癌細胞株を重度複合免疫不全マウスであるNOD/SCID/IL2Rγ-/-マウス(NOGマウス)に静注し、経時的に定量可能である同所性の肺癌モデルを確立した。さらにH460細胞を用いて、皮下腫瘍モデルも確立し、今後in vivoでの治療モデルの作成にむけて準備をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitroでの解析結果をまとめた論文作成を行っている。また、さらに作用機序の検討を加えるための実験を遂行しており、今後のin vivoでの解析に向けて、条件検討を行っている段階である。検討に十分な量の細胞数の誘導に必要な採血量の設定が困難であり、検討する条件項目や実験系の再検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、肺癌患者の検体を用いて、サイトカイン産性能や抗腫瘍効果の検討を行う。また、NKT細胞の機能の改善する機序を解明する目的で、PDL1及びPDL2蛋白を用いて解析を行う。 In vivoのモデルで、健常人のNKT細胞と抗PDL1抗体の併用による抗腫瘍効果について、解析を行う。最終的に臨床試験に向けて、GMP gradeの抗体を用いてin vitroの結果を再現する段階まですすめる予定である。
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