2015 Fiscal Year Annual Research Report
Ex vivo lung perfusionを用いた新しい臓器保存法の確立
Project/Area Number |
26861121
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 雄悟 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20403256)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 肺移植 / 臓器保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにDual EVLPはstandard EVLP、従来の冷保存と比較し、移植前の肺の状態を良好に保つことが様々な項目(ガス交換能、コンプライアンス、肺血管抵抗、グラフト内の代謝経路など)で確認された。また、それぞれの方法で保存された肺をラットに移植し、移植後のグラフトの状況についても評価を行った。昨年度は移植後のガス交換能がDual EVLPで他の2つの保存法と比較し有意に高いことまでは評価ができていた。しかし、今年度は炎症性サイトカインもDual EVLPでは他の2つの保存法と比較し有意に炎症性サイトカインを抑制することが確認された。また、移植後のグラフトについてμCTや蛍光染色を行うことによりグラフト内の血流評価を肉眼的、顕微鏡学的に評価した。こちらもDual EVLPの血流は他の2つの保存法と比較し移植後でも有意に血流が保たれていることが確認できた。これらの研究データをまとめ論文として米誌に投降、(American Journal of Transplantation 2015; 15: 1219-1230)に掲載された。その後、EVLPを用いた新たな臓器保存法を確立するためにいくつかの研究プランを計画し検証を行った。まず、気管支静脈経由で還流液をグラフト肺に還流させるためにこれまでのEVLPの還流を逆にし肺静脈から肺動脈へ還流させる回路を考案した。理論的には肺静脈から気管支静脈を経由し気道組織への還流を増加させるはずであったが、肺の浮腫が起こり有意な保存法とはなりえなかった。次に、グラフト肺への還流液の還流速度を減少させ肺動脈への圧損傷を減らす方法もも考案し検証を行った。様々な流量と保存温度などを調整し、低流量でも一定の保存効果があることが確認されたが、従来のEVLP以上の臓器保存効果は認めなかった。
|
Research Products
(1 results)