2014 Fiscal Year Research-status Report
投与細胞の違いに着目した脳梗塞に対する幹細胞移植投与方法の確立
Project/Area Number |
26861155
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山口 将 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (70712131)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脳梗塞 / 骨髄間葉系幹細胞 / 細胞移植 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
≪投与細胞の質の違い、特に年齢の違いについて検討≫ 脳梗塞は高齢者において罹患率が高く、一度発症するとQOL低下、介護を必要とする状況に至る可能性が高い。細胞移植療法は患者の機能予後改善に寄与することが報告されており、今後臨床応用が期待される治療法である。移植療法には自家移植、他家移植があるが日本では特に自家移植が好まれる傾向がある。幹細胞も老化し、機能低下するという多くの報告がある中で高齢者に多い脳梗塞では、老化した幹細胞投与による治療効果の評価は報告がない。我々は高齢者由骨髄間葉系幹細胞(Old MSC)と若年者由来骨髄間葉系幹細胞(Young MSC)を脳梗塞ラットに経頸動脈的に投与し、効果の違いならびにその機序について検討した。300g前後のSDラットを用いて中大脳動脈閉塞再灌流モデルを作成し、脳梗塞24時間後にPBS,Young MSC, Old MSCを投与した。神経学的評価はmodified NSSを用いてDay0、1,4,7,10,14、21に行い、21日目にSacrificeし、脳を摘出後に病理学的検討を行った。Young群はOld群に比べ有意に神経学的改善を認めた。病理学的検討ではYoung群においてAngiogenesis、Antiinflamation、Neurogenesisで効果を認めた。さらに脳梗塞2日、3日、7日後の標本を作製し、MSCの生存率を検討したが、2群間では明らかな差を認めなかったが、Young MSCにおいて有意に多くの細胞がNeural stem cellへのTransdifferentiationをしていた。今後、これに寄与したMoleculeの検索をELISAやLuminexを用いて行う。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点では免疫組織学的検討では投与細胞のドナーの年齢によるレシピエント脳での修復機序の違いについて結果が出ているため
|
Strategy for Future Research Activity |
レシピエントと脳で起こっている反応の違いにどのように投与細胞がかかわっている(関連する因子)かを検討する必要があるために、ELISAやLuminex、ウェスタンブロットなどを行い検討。さらに関連する分子が特定されたらそれをノックアウトして機能改善の程度に違いが出るかなどを検討する。
|
Causes of Carryover |
研究成果を学会で発表する予定であったが、さらに検討すべき点があり、学会発表を見送ったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験計画通りにさらなる実験(Luminexなどによりmolecularの検索を行い、動物実験にてそのmolecularの関与の有無などを検討)を行い、学会発表や論文作成を行う。
|
Research Products
(4 results)