2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of neuroradiological images in cerebrospinal fluid leakage and its application to diagnostic accuracy improvement
Project/Area Number |
26861158
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
堀田 祥史 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80721547)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳脊髄液漏出症 / 脳脊髄液減少症 / 低髄液圧症 / 画像診断 / ブラッドパッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度の目標は、引き続き症例のデータ収集を行うことと、得られた成果を日本脳神経外科学会総会で発表をすることであった。 今年度脳脊髄液漏出症が疑われ、当科へ紹介となった外来受診者は19例だった。このうち「脳脊髄液漏出症の画像判定基準・画像診断基準」に基づいて得られたデータは9例で、これまでの期間で最多であった。本研究期間中に得られたデータ数は合計で34例となった。今年度新たに脳脊髄液漏出症または低髄液圧症と確定診断された症例は4例だった。うち3例は硬膜下血腫を合併していた。これで脳脊髄液漏出症または低髄液圧症と診断した症例は、本研究期間中で8例、科研費交付以前の分と合計して12例となった。 本年度に「硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ)」を新規に実施した症例は3例あった。このうち2例で両側硬膜下血腫を合併していたため、ブラッドパッチ後に穿孔洗浄術も実施した。ブラッドパッチを行わなかった残りの1例については経過中に自然軽快を示したため、保存的治療を行った。 本研究期間中に診断した8例をまとめると、ブラッドパッチは5例で実施、保存的治療は3例で実施した。2019年4月時点でフォローアップは4ヶ月以上行っているが、新たに診断された4例すべての症例で症状は治癒または改善し、画像所見も改善していた。治療後1年以上が経過した従前の4例では再発は1例もなく、良好な経過をたどっている。 成果の発表として、第85回札幌脳外科集談会で、「脳脊髄液減少症~これまでの知見、これからの視点~」と題して地域の脳神経外科医を対象に講演を行った。また日本脳神経外科学会第77回学術総会で、「脳脊髄液漏出症の診断における脳槽シンチグラフィーの意義」という演題名で、それまで検査を実施した50例の画像所見を検討し、脳脊髄液漏出症の診断例と非診断例における脳槽シンチグラフィーの陽性、偽陽性所見について報告した。
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