2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳内出血における大脳皮質神経受容体結合能の変化と神経機能の関連
Project/Area Number |
26861160
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小守林 靖一 岩手医科大学, 医学部, 助教 (00509002)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳内出血 / SPECT / Remote effect |
Outline of Annual Research Achievements |
<目的>被殻あるいは視床出血は、意識障害をきたさないような少量の出血であっても片麻痺や言語障害等の重篤な神経学的脱落症状を遺すことが多い。これは出血により神経伝導路の遮断が生じることに起因し、臨床における脳局所破壊モデルとも言える。一方、神経伝導路の遮断の程度に比例して支配領域の大脳あるいは小脳皮質神経細胞の機能に影響する(remote effect)ことが知られている。本研究では、急性期の被殻あるいは視床出血において、皮質神経受容体機能を可視化できる123I-Iomazenil SPECTを用いて大脳および小脳皮質神経受容体機能を評価し、亜急性期の神経学的脱落症状との比較を行った。 <対象および方法>保存的加療を行った意識レベルJCS 0~3で80歳以下の被殻出血および視床出血20例を対象とした。これらの症例に対し、123I-Iomazenil SPECTを発症から1週間以内に撮像した。大脳半球の解析には3D-SSPを用いてpixelごとの病側/健側比を、小脳半球の解析には 3D-SRTを用いてROI解析を行い、小脳半球健側/病側比を算出した。また、正常コントロール者にも同様の解析を行い、正常値を算出した。発症1カ月後および3ヶ月後にBarthel index(BI)およびModified Rankin Scale(mRS)を用い、神経学的脱落症状の程度を判定した。 <結果>年齢、性別、左右差、血腫量と発症3ヶ月後のmRSとの間に有意な相関は認めなかった。小脳半球3D-SRT解析では、小脳半球健側/病側比が正常者の平均値-2SDを超えて低下している症例は、BIおよびmRSの低下を認めた。 <結語>急性期の123I-Iomazenil SPECTによる神経受容体機能は亜急性期の神経学的脱落症状と相関する。
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Research Products
(1 results)