2016 Fiscal Year Annual Research Report
Transplantation therapy using Neural stem / progenitor cells derived from human iPSCs for the cerebral infarction of primates(marmosets)
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26861165
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 賢 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 共同研究員 (70445378)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 霊長類 / 脳梗塞モデル / マーモセット / 移植治療 / 神経幹細胞 / MRI / PET / 中大脳動脈閉塞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス脳梗塞に対するマウス及びヒトiPS細胞由来神経幹細胞(iPSC-NS/PC)移植により機能回復が促進することが明らかになり、また中枢神経系の疾患として脊髄損傷では、サルに対するヒトiPSC-NS/PC移植により、その安全性および有効性が確認され、脳梗塞も脊髄損傷も臨床試験が行われ始めている。しかし脊髄損傷と違い脳梗塞では、霊長類を用いた実験の報告がないまま臨床試験が開始され、多くが頓挫している。治療効果の解明のため霊長類モデルが必要とされているが、一般的な方法が依然として開発されていない。そこで霊長類の脳梗塞モデルを作成し、神経幹細胞(NS/PC)移植を行い、一連の評価系を確立する。 これまでの研究でマーモセットに対する低侵襲の一過性右中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルを確立し、小動物用MRIと小動物用PET(positron emission topography)を用い、マーモセットの脳梗塞および脳内の代謝変化の観点からin vivoにおいて霊長類脳内の虚血後の自然経過を観察し、MRIとPETからペナンブラを推定し、移植治療のターゲットとできるようになった。 細胞移植では、マーモセットの免疫機構が未解明のため、免疫抑制剤の使用などの問題を避け、同種であるマーモセット胎児由来のNS/PCを用いた。治療時期は臨床応用を見据えた亜急性期(10~14日)とした。移植部位は脳梗塞巣の辺縁とした。 移植細胞はマーモセット胎児由来のNS/PCを培養・増殖させ100万個とした。移植個体は2匹、コントロールは1匹とした。移植後のPET にて腫瘍化は認めなかった。観察期間は自然回復の見られる5~6週とし、移植群がコントロール群と比べ、機能回復が促進するかどうか行動評価および画像評価にて調べた。6週間後サクリファイスし、脳切片を評価。現在、組織学的評価を行っており、論文作成中である。
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