2016 Fiscal Year Research-status Report
グリオーマに対する5-アミノレブリン酸併用放射線照射における免疫機序の解明
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26861170
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中野 良昭 産業医科大学, 医学部, 助教 (10435125)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 5-ALA / グリオーマ / マクロファージ / プロスタグランジンE2 |
Outline of Annual Research Achievements |
5-aminolevulinic acid(以下5-ALA)は悪性神経膠腫において術中蛍光診断で既に臨床応用されている光感受性物質である。5-ALAと放射線照射併用による腫瘍細胞傷害機序の解析、特に免疫細胞であるマクロファージやミクログリアの関与を解明し、新規治療へと展開するための研究基盤を確立することを目的とする。前年度までの研究でC3H/HeNマウスにマウスグリオーマ細胞株(RSV-M)を使用した皮下腫瘍モデルを作成し5-ALAの経口投与(100mg/kg)、放射線照射(全身照射1Gy)を行ない腫瘍の増殖抑制効果を認めたため、今年度はin vitro実験系での免疫応答の作用機序を解析した。5-ALAを処理したC3H/HeNマウス腹腔マクロファージとグリオーマ細胞株(RSV-M)をセルカルチャーインサートを使用し共培養を行い、MTTアッセイにてグリオーマ細胞傷害活性を評価すると、5-ALA濃度依存的にグリオーマ細胞傷害活性を認めた。これらの傷害活性には前年度までに証明した5-ALAによるマクロファージからの抗腫瘍性サイトカインであるTNFの産生増強と免疫抑制因子であるプロスタグランジンE2産生抑制が関与していると考えられる。さらに私たちは過去にグリオーマの可溶性因子によりマクロファージからのプロスタグランジンE2の産生が増強されることを報告してきた。腫瘍に対する免疫療法を確立させるには、この免疫抑制機構を解明し制御することが必要と考えており、過去の実験系でも5-ALAを使用することによりマクロファージからのプロスタグランジンE2産生の増強が抑制される結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は5-ALAによるプロスタグランジンE2産生抑制機序の解明をmRNA発現の差で解析を行う。さらに、ミクログリアを使用した実験系での解析を行う。
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