2015 Fiscal Year Research-status Report
膠芽腫形成においてエピゲノム異常を誘導する新規分子の同定
Project/Area Number |
26861172
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大岡 史治 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10725724)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 脳腫瘍学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の前半(平成26年度)では腫瘍細胞を用いて抗エピゲノム関連因子抗体と抗EZH2抗体を用いた免疫沈降法を確立した。抗転写因子抗体を用いたクロマチン免疫沈降法(Chromatin immnoprecipitation; ChIP法)も同様に確立した。エピゲノム関連因子と転写因子、EZH2のノックダウン実験を行うためそれぞれのshRNAベクターを作成し、両因子に対するshRNAを安定発現する細胞株を作成した。腫瘍細胞を用いて抗エピゲノム関連因子抗体、抗転写因子抗体によるウエスタンブロッティングを行いタンパク質レベルでの発現確認をした。エピゲノム関連因子については免疫沈降法を、転写因子についてはChIP法を予備実験を開始した。MADMマウスの前腫瘍細胞を用いてEZH2の発現異常、遺伝子増幅異常の出現する時期を同定した。 平成27年度では平成26年度に作成した本研究にて着目している両分子と、EZH2のshRNA安定発現細胞株を用いて機能解析を行った。エピゲノム修飾酵素のノックダウン細胞ではEZH2との結合の欠失からEZH2の誘導異常の抑制効果が予測される。これまでに腫瘍細胞でヒストン修飾異常を同定している遺伝子群を対象として、ノックダウン細胞のヒストンH3リシン(K)27(H3K27)のメチル化状態を解析するため、抗H3K27トリメチル化(H3K27me3)抗体を用いたChIP法と定量PCR法にて修飾変化を解析する。転写因子についてはノックダウンによりEZH2の転写制御異常の抑制効果が予測される。ノックダウン細胞を用いてEZH2の発現量をリアルタイムPCR法とウエスタンブロッティング法にて確認した。いずれのノックダウン細胞においても細胞増殖能の低下等、腫瘍抑制効果を解析するため、それぞれの予備実験を行い、実験系を確立した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験を含めた、実験系の立ち上げに当初の予定よりも時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定よりも予備実験に時間を要したが、確立はできたため今後は当初の計画を遂行する予定です。
|
Causes of Carryover |
やや研究計画が遅れているため、そのために使用予定の費用が未使用であるため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に期間延長承認を受けており、本研究を継続し、遂行するために使用予定です。
|