2014 Fiscal Year Research-status Report
テネイシンCの軟骨変性抑制作用における遺伝子発現の解析
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26861183
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
松井 佑梨世 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20727680)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / 軟骨変性 / テネイシンC |
Outline of Annual Research Achievements |
関節軟骨は自己修復能がほとんどないため、変性軟骨に対する治療法はいまだに確立されたものがなく、整形外科領域において早急に解決されるべき課題のひとつである。 われわれは、関節軟骨の変性を抑制する新しい治療法として、マトリックス細胞タンパクの一つであるテネイシンC(TNC)に着目しており、in vivoにおいて、マウスの前十字靭帯・内側側副靭帯を切離した変形性膝関節症モデルを用いた研究で、TNC 10μg/mlを関節内に投与することで良好な軟骨変性抑制効果が得られたことを報告した。今回、in vitroにおいて、ヒト軟骨の培養細胞を用い、外因性のTNC(10 μg/ml)を添加することにより、サイトカイン、Growth Factor、軟骨基質分解酵素などの発現を、real time PCRを行い検討した。 結果、培養軟骨細胞にTNCを添加することにより、TNCがアップレギュレートすることが分かった。また、TNCをアップレギュレートすると報告されているTNF-α、IL-1βもTNCの添加によりアップレギュレートした。また、軟骨基質代謝におけるanabolic factorであるbFGF、TGFβが有意に上昇した。また、TIMP3はアップレギュレートしたが、catabolic factorであるADAMTS4、MMP3はTNCを添加しても上昇しないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書であげた平成26年度の計画に従い、Real time PCRによる定量的解析を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の検討の結果から、培養軟骨細胞にTNCを添加することにより、TNC、TNF-α、IL-1β、bFGF、TGFβ、TIMP3が有意に上昇することが分かった。 平成27年度は、平成26年度の計画を継続・発展させ、ヒト軟骨細胞に対するTNCの効果を調べるために、PCRアレイの手法を用いて、TNC添加により変化する遺伝子を見出す。また、in vivoにおける、TNCの変性抑制効果を調べるために、マウス変形性膝関節症モデルを作製し、TNC投与群とコントロール群それぞれリアルタイムPCR、PCRアレイの手法を用いて、TNC投与による変化する遺伝子を見出すことを計画している。
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Research Products
(7 results)