2015 Fiscal Year Research-status Report
受傷後早期の高血糖が脊髄構成細胞ならびに炎症細胞に及ぼす影響の網羅的解析
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26861198
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保田 健介 九州大学, 大学病院, 助教 (00717069)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / 高血糖 / 機能予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
労働者健康福祉機構 総合せき損センターに入院した新規脊髄損傷患者528名の詳細な臨床データを多変量解析等の手法を用いて多角的に分析した。その結果、脊髄損傷患者のうち約半数の患者に血糖値の上昇が起こっていることが判明し、入院時に高血糖を呈する患者の運動機能回復が著しく低下していることが明らかになった。 また、高血糖モデルマウスの損傷脊髄からセルソーターで選択的に回収したミクログリアを解析すると、高血糖状態では正常血糖状態に比べて脊髄損傷直後のミクログリアが過剰に活性化し、炎症性免疫応答が亢進していた。これに伴い、高血糖状態では神経系細胞のアポトーシスが増加し、運動機能障害を引き起こす脱髄性変化も著しく増加していた。 さらに、脊髄損傷後にインスリンを用いて高血糖マウスの血糖値をコントロールすると、高血糖による病態の増悪が抑制され、正常な運動機能回復が起こった。これらの結果は、急性高血糖が脊髄損傷後の運動機能回復を阻害していることを証明している。 本研究成果は、脊髄損傷後の運動機能回復能を十分に引き出すためには、急性期高血糖の適切なコントロールが重要であることを示しており、2014年10月1日(水)(米国東部時間)に米国科学雑誌『Science Translational Medicine』で発表した。 その後は、ミクログリア以外の脊髄構成細胞と脊髄損傷後に脊髄に浸潤してくる炎症細胞に対する高血糖の影響を詳細に調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究成果は、米国一流科学雑誌『Science Translational Medicine』に掲載されるとともに、世界の様々な国際学会に採択されている。また、国内においては、複数の学会でシンポジスとして発表を行っており、脊髄損傷急性期の血糖コントロールの重要性を発信できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
脊髄損傷後に脊髄へ浸潤した炎症細胞ならびに脊髄構成細胞に、高血糖が与える影響について網羅的な遺伝子解析を進めていく。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Hyperglycemia is a Preventable Risk Factor for Spinal Cord Injury – Translational Research from Animals to Humans2016
Author(s)
Kobayakawa K, Okada S, Kubota K, Yokota K, Ohkawa Y, Saito T, Hara M, Kijima K, Ideta R, Shiba K, Iwamoto Y
Organizer
2016 Annual Meeting of the Orthopaedic Research Society
Place of Presentation
Orlando, Florida, USA
Year and Date
2016-03-05 – 2016-03-08
Int'l Joint Research
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[Book] 臨床整形外科2015
Author(s)
小早川和, 岡田誠司, 久保田健介, 出田良輔, 芝啓一郎, 岩本幸英
Total Pages
5
Publisher
医学書院