2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861201
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 智之 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70560001)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 新鮮凍結標本 / 前十字靭帯再建術 / 初期固定張力 / ロボット生体力学試験機 / 膝関節キネマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本学未固定凍結標本(fresh cadaver)使用に関する倫理審査の承認を得られた。ロボット膝生体力学試験機を用いた膝関節前十字靭帯再建術のバイオメカニクス研究を開始した。まず同じアプローチ、同じ骨孔位置、同一の移植腱を用いた場合に骨孔を増やす(分割)意義を明らかにするためロボット生体力学試験機を用いて比較解析のプロトコルを確立した。
今年度は新鮮凍結屍体膝11膝(平均年齢85歳)を使用した。正常膝の運動軌跡①を記録し次に様々な外力を加えたときの移動量②を記録した。解剖学的3束再建術、2束再建、1束再建膝を比較するため 本研究では同一膝の脛骨結節から採取し骨孔径+0.5mmの骨円柱を脛骨側の前外側骨孔にpress-fitして埋めた。前内側骨孔を拡大して再建した。骨孔のoverlapは生じなかった。
各前十字靭帯再建術と正常膝を比較して手術に用いる初期固定長張力を算出できた。またそれぞれの張力で再建された膝関節が正常膝のキネマティクスとどのように異なるかが分かった。更に外力に対する各再建術式の力学応答が算出された。その際、膝関節の再建靭帯の張力分布も明らかになった。 骨孔が増える事で手術に用いる初期固定長力は小さくても正常膝に近い制動が可能である。1束再建は2束,3束に比べ伸展位付近での外力に対して制動が劣る。力の分配の点で3束が2束の後外側線維より荷重分担が低減している効果があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2015年度3月末までに 新鮮凍結標本使用に関する本学の体制が大きく変わる事になり、使用できる残された標本を実験を前倒しして使用した。データ取得を最優先としたため。 実験の失敗が少なく、マシントラブルも生じなかったため順調であった。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた、目標としていたデータを解析し、論文にまとめる事を優先する。 本学の新鮮凍結屍体標本使用に関する体制が変わったため、再度 標本使用に関する倫理委員会手続きを一からやり直すため、申請後3ヵ月以上を必要とする。それまでの間、新規の標本は使用できない。 第2の研究テーマである動物膝を用いた半月板力学試験、靭帯張力試験等に着手する。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金がかかっていない。 そのかわり、共同研究者の旅費、宿泊費の割合が多い。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究者の旅費、滞在費は減少。 申請者の学会発表の旅費が増加の見込み。 動物の関節組織購入費が新規で増加。新たな実験資材費が増加。 英文査読料、論文掲載費等が新規で増加の見込み
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Research Products
(4 results)