2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatment for muscle injury without scar healing focused on inhibition of myofibroblasts
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26861204
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋損傷 / 筋線維芽細胞 / HSP47 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツ外傷において筋損傷(肉離れ)は筋組織の線維化が生じて瘢痕治癒するため、疼痛および筋力低下によりスポーツ復帰が困難な例が存在する。筋組織の線維化を予防し筋再生を促進 できれば、運動機能低下を減少させ、早期リハビリテーションが可能になると考えられる。研究代表者らは small interfering RNA を用いて、標的とする遺伝子の発現を特異的に抑制する技術と動物筋損傷モデルを確立している。そこで本研究では、線維化を調節する分子シャペロンである Heat shock protein 47 を標的とし、その発現を制御する分子標的療法を開発し、スポーツ活動者のリハビリテーションのための全く新しい筋肉の再生医療を目指した。 8週齢の雄Wistarラットの筋損傷モデルを用いて筋損傷後の線維化の評価を行った。左腓腹筋内側頭を切離し切離部を縫合した。縫合後、4、8、11、15、22日目にsacrificeし、HE染色、マッソントリクローム染色、HSP47に対する免疫染色をそれぞれ行い組織学的検討を行った。HSP47は損傷後早期に染色性が上昇しており、マッソントリクローム染色は損傷後8日で染色性が上昇していた。この結果から、筋損傷後の線維化治癒および瘢痕形成にはコラーゲン生合成に関与する分子シャペロンであるHSP47が上流で関与していると考えた。次に、ラット筋芽細胞株を用いて筋線維化の細胞モデルを確立した。ラット筋芽細胞に10ng/mLのTGF-β1を添加し、24、48、72時間後に細胞を回収し、HSP47、COL1A1、COL3A1の遺伝子発現をreal-time RT-PCRで解析した。24時間以降、HSP47、COL1A1、COL3A1は上昇を認めていた。この結果から筋損傷後の筋線維化の細胞モデルを確立できたと考えた。また細胞レベルにおいても筋線維化にはHSP47が関与している可能性があると考えた。
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