2014 Fiscal Year Research-status Report
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26861209
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
齋藤 亘 北里大学, 医学部, 助教 (60439099)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コラーゲン結合型成長因子 / 椎体骨折 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会に伴い骨粗鬆症に伴う脊椎圧迫骨折患者数は年々増加している。申請者は、局所投与可能なコラーゲンパウダーとコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子(CB-bFGF)を用いた低侵襲な椎体骨折治癒促進法の実用化を目指し、検討を行った。ラット尾椎に直径17mmの欠損を作成した。コラーゲンパウダーのみ投与した群(CP群)、コラーゲンパウダーにbFGFを吸着後投与した群(bFGF群)、コラーゲンパウダーにCB-bFGFを結合後投与した群(CB-bFGF群)の3群を作成し骨欠損修復能を比較した。CB-bFGF群はbFGF群、CP群に比べ椎体周囲の膜性骨化が旺盛であった。しかし、欠損部における骨形成は他群と同等であった。このことから、骨欠損部の修復には他の成長因子との併用が必須であると考えられた。そこで、骨形成タンパク(BMP)を含む脱灰骨を担体とした骨形成促進システムの構築を試みた。骨形成能の判定が容易なマウス大腿骨骨折モデルを用いて有用性を検討した結果、CB-bFGFと脱灰骨コラーゲンパウダーの併用により骨形成を長期に渡り促進できることが明らかになった(J Orthop Surg Res, in press)。現在、椎体モデルに対する有用性を検討中である。また、コラーゲンパウダーを担体とした椎体骨折治療法の確立にはコラーゲン結合型BMPの作製が必須と考えられた。現在、CB-BMPのコンストラクトを作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初コラーゲンパウダーとコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子の併用により椎体骨折の治癒が促進可能であると考えていた。しかし、欠損部周囲の骨形成は旺盛であったものの、欠損部での骨形成は不十分であった。
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Strategy for Future Research Activity |
コラーゲンパウダーを担体とした成長因子徐放による骨欠損部の修復には骨形成蛋白が必須と考えられたため、今後はコラーゲン結合型骨形成タンパクを作製し、検討する予定である。また、脱灰骨とコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞との併用が骨形成促進に有用であることが見出されたため、脱灰骨を担体とした椎体骨折治癒促進法についても検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
実験動物の予期せぬ死亡により、飼育費に誤差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の飼育費に使用する予定である。
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