2014 Fiscal Year Research-status Report
骨細胞と骨芽細胞レニン・アンジオテンシン系を標的とした新規骨粗鬆症治療薬の開発
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26861212
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大庭 聖子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (60710118)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨代謝 / 骨細胞 / 骨芽細胞 / レニン・アンジオテンシン |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症は、人間のかかる疾患のうち最も頻度が高く、今後、社会の高齢化に伴い、さらに増加が見込まれているが、骨粗鬆症の発症機序については未だ不明な点が多い。成長後の骨の代謝は、主に骨形成を担う骨芽細胞、骨吸収を担う破骨細胞そして骨芽細胞に由来する骨細胞によって調節されている。近年の分子生物学において、骨芽細胞及び破骨細胞に関する研究は飛躍的に進展したが、骨細胞に関する研究は未だ黎明期にある。骨細胞はこれまでに重力のメカノセンサー、石灰化の調節、マイクロダメージの感知・修復などの作用を示すことが示唆されているものの、詳細は不明であり、生理的機能ならびに調節機構に関しては謎に包まれている。骨細胞の機能不全は骨粗鬆症を生じることが知られていることからも、骨細胞は骨粗鬆症の病態解明ならびに新規治療方法の開発において重要であると考えられるが、骨細胞は骨基質中に埋没した細胞であるため、アクセスが非常に困難である。骨細胞は骨芽細胞から分化するため、骨基質のより表面に存在する骨芽細胞に注目し、この骨芽細胞を上手く操作することで、骨細胞とともに骨芽細胞が骨粗鬆症の病態解明ならびに新規治療方法の開発において新たな標的となる可能性が考えられる。本検討では骨芽細胞ならびに骨細胞の新たな機能解明を目指して局所レニン・アンジオテンシン系(RAS)に着目し研究を進行する。 骨細胞特異的RAS関連遺伝子を欠損したマウスを作製し、骨の表現型解析を実施した。また、本マウスから採取した骨組織を用いてRNAを抽出後、骨形成および骨吸収関連遺伝子の発現をReal Time PCR法を用いて解析した。 骨細胞株を用いて、RAS関連遺伝子をノックダウンあるいは過剰発現し、骨細胞分化能および、マーカー遺伝子の発現におよぼす影響を検討した。 また、骨芽細胞特異的にRAS関連遺伝子を欠損したマウスを作製し、骨の表現型解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスの作製、解析、in vitroでの解析ともに当初の予定通り進行しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究内容を継続するとともに、以下の内容を実施する予定である。 1.骨細胞におけるRAS系の標的遺伝子の同定:骨細胞特異的にGFPを発現するコンディショナルKOマウスを作成し、FACSを用いて骨細胞を単離後、網羅的な発現解析を実施する。 2.標的遺伝子の機能解析:1で同定された標的遺伝子の骨細胞における機能を解析する。 3.骨細胞特異的にRAS関連遺伝子過剰発現マウスの作製と解析
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