2014 Fiscal Year Research-status Report
妊娠高血圧時脳ネットワーク異常と麻酔:安静時機能的磁気共鳴画像法による新研究
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26861245
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
直川 里香 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30647558)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / 機能的MRI / 脳ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠高血圧症候群に特異的な脳機能的結合を検索するのが本研究の目的である。平成26年度は、和歌山県立医科大学産婦人科学教室の外来担当者に依頼し、対照群としての健常妊婦のリクルート及び撮像を行った。健常妊婦の撮像は、全例、分娩後1週間以内に行った。症例数は19症例を集めることができた。協力機関である和歌山県立医科大学第一生理学教室で機能的MRIの解析を行っている途中である。脳機能の指標として、安静時の機能的MRIを採用しているが、「度数中心性」という概念に基づいて安静時の機能的MRIの解析を試みている。その上で、血圧などの具体的な臨床値と、脳機能の指標との相関関係を計算して、有意な相関性の存在する脳部位を同定しようと試みているところである。相関性の存在する脳部位は、妊娠高血圧症候群と何らかの関係のある脳部位である可能性がある。 また、主研究機関である和歌山県立医科大学麻酔科学教室に、解析用コンピュータ、解析ソフトを設置した。妊娠高血圧症候群で上昇することが知られている血清マーカー(可溶性fms-like tyrosin kinase 1およびproangiogenic placental growth fator)の検査キットを購入し、リクルートした妊婦で計測した。リクルートした妊婦は皆、健常な妊婦であるため、測定値は正常範囲内であることが多かった。 脳機能と妊娠、帝王切開などの最新の知見を得るために、日本麻酔科学会学術集会、臨床麻酔学会学術集会に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度中に、研究環境の整備、機能的MRI解析の実行、また健常妊婦の機能的MRI撮像を行うことができた。ほぼ計画通りの進行である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、和歌山県立医科大学産婦人科学教室に引き続き依頼し、妊娠高血圧症候群患者の産後に機能的MRIの撮像を行う予定である。症例は20症例をめざす。撮像後、機能的MRIの解析を行い、正常妊娠のデータとの比較を行う。
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Causes of Carryover |
機能的MRIの検査料が計画よりも安価であったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
機能的MRIの撮像は安価である反面、血清マーカー(可溶性Flt-1とPlGF)の検査キットは高価である。平成27年度は妊娠高血圧症候群患者の検査を行う必要があるため、その費用に充てる予定である。
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