2016 Fiscal Year Annual Research Report
Abnormal functinoal connectivity in pre-eclampsia patients
Project/Area Number |
26861245
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
直川 里香 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30647558)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / 安静時機能的MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は主に機能的MRIの解析を行った。妊娠高血圧症候群患者21人、正常妊婦13人を対象とした研究となった。機能的MRIの解析には前処理、機能的脳指標の計算が含まれる。これらは、専用のソフトウェア(MATLAB、SPM12)を用いて計算された。 脳機能の指標には度数中心性を用いた。患者背景のデータには、妊娠高血圧症候群で特異的に変化することが知られている、s-FLT1とPLGFを用い、また、直接的な妊娠高血圧症候群の臨床指標である、血圧を用いた。 まずは、妊娠高血圧症候群患者と正常妊婦との比較を行うことを目的に、SPM12を用いて2群間の比較を試みた。しかし、多重比較補正を行う過程で、有意な差を見出すことができなかった。次に、妊娠高血圧症候群患者のみを対象に、重症度と脳機能指標との間にどのような関係性が存在するかを検討した。血清データと脳機能指標との間に相関性を見つけることはできなかった。一方、血圧と脳機能指標との間には、多重比較補正を行った上でも有意な関係性を見出すことができた。左後頭葉と収縮期血圧との間に正の相関関係が認められた。そこを関心領域と決定した。 この関心領域を起点とした機能的結合について、妊娠高血圧症候群患者と正常妊娠群で群間比較を行った。その検討では、多重比較補正では有意な差を認めなかった。ただし、当該関心領域から、側頭葉に向けての機能的結合に一定の傾向が見つかった。 現時点では明らかな群間差を決定することができていないが、今後も引き続き、妊娠高血圧症候群に特異的な安静時ネットワークの解析を続けていきたい。
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