2014 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬による高次機能障害のメカニズムに関する基礎的解明および予防法の探索
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26861250
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
諸田 沙織 東京医科大学, 医学部, 助教 (30719711)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病由来iPS / 神経分化誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
【今年度の目的】①健常人由来iPS細胞 201B7株 およびアルツハイマー病患者由来iPS細胞 PS1-2, PS1-4, PS2-1株から神経細胞を誘導し、免疫染色により神経細胞およびグリア細胞の分化効率、ネットワーク形成の有無の確認をする。②各細胞株由来の神経細胞におけるミトコンドリア機能解析(Seahorse社, Flux Analyzer XFe24)が可能となる培養条件を決定する。 【結果】各株由来iPSはNeuro stem cell (NSC , Neuro sphere) 形成を経て、その後接着培養により神経細胞への分化を誘導し、2週間および4週間後の神経細胞分化率を確認した。まず接着培養の際、sphere状のNSCをそのまま播種する方法とsingle cellにしてから播種する方法を比較検討した。その結果、Neuro sphere で播種する方法では培養プレートに接着しない(sphere上層部の)細胞がnon-neuronal cellに分化する傾向が強く見られ、またそのような状態では神経細胞のミトコンドリア機能解析が困難であった。従ってsingle cell で播種する方が神経細胞分化誘導には適していると考えた。しかし、single cellで播種しても尚、Flux Analyzerによる解析に支障を来す程度のnon-neuroal cellへの分化が見られた。そこでNSC形成前にEmbryoid body (EB)を形成させ、神経細胞への分化効率の上昇がみられるか検討した。また同時に、NSCの段階でNotch pathway阻害薬であるDAPTに暴露し、分化効率を上げるために最適なDAPT暴露タイミングおよび暴露時間を検討した。以上の結果、EB形成を経てからNSC形成に持ち込み、3次NSCの最後3日間でDAPTに暴露した場合が最も神経分化効率が高かった。
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