2016 Fiscal Year Annual Research Report
An attempt to improve liver disorder after hepatectomy
Project/Area Number |
26861254
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
濱崎 真一 近畿大学, 医学部附属病院, 助教 (60642890)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肝臓切除 / 肝再生 / voluntary exercise |
Outline of Annual Research Achievements |
肝臓切除術後の治療目標は、肝臓障害を抑制し肝臓再生を促進することにある。肝機能障害は肝臓再生を抑制する。肝臓の虚血時間遷延と切除範囲拡大に従い、再生障害の可能性が高くなる。さらに、肝臓切除術症例は、糖尿病、動脈硬化症、心虚血性疾患などの生活習慣病を合併する割合が高く、術後の肝機能や再生の障害が起こりやすくなる。 申請者らは、脳卒中モデルラットでvoluntary exercise(VE)が生存率と脳神経再生を誘導するという知見を得た。運動が肝臓切除術の成績向上を促すことが知られており、脳卒中モデルラットで、VEが生存率と肝臓再生を誘導するか検討した。 肝臓切除術術前からVEを行い、温阻血再灌流+肝切除術後に、肝障害を抑制し、活発な肝再生を誘導するか、生存率の変化を観察した。VEはローターを用いて行った。Wistarラット(WKY)と脳卒中モデルラットであるSHRSPラット(Sed群とVE群)の肝臓を30分間虚血し、70%肝切除(右葉と尾状葉を残す)後、再灌流を行った。 肝再生は、切除後3日で約60%の増加がみられた。Sed群とVE群で肝再生率に有意な差は見られなかった。現時点では、術後3日の短期間では差が見られない。術後すぐは、肝肥大やリモデリングがみられ、その後肝臓再生が起こると考えられている。今後、術後3日以降の肝臓再生に差がないか、VE群での長期予後や生存率なども検討していく。 脳卒中モデルラットであるSHRSPラットの肝臓は、脂肪肝になりやすいが線維化や肝硬変への進行は起こりにくい。また、肝臓での炎症は生じにくく、肝臓が20~30%残っていれば、生存できるといわれている。ラットの肝臓は、再生しやすいことから再生率の差は出にくい。しかし、脳卒中モデルラットでVEが生存率と脳神経再生を誘導していることから、他の臓器でも予後改善の効果が期待できると考えられ、今後も検討していく。
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Research Products
(7 results)