2015 Fiscal Year Research-status Report
前立腺におけるWntシグナル機能解明と去勢抵抗性癌の新規治療の探索
Project/Area Number |
26861259
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 さゆり 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40313217)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | Androgen Receptro / Wnt / Prostate cancer |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究成果の具体的内容】平成27年度はin vitroの実験を臨床に結びつけることを念頭におき、前立腺癌全摘術後のパラフィン包埋切片を50検体を集めGleason Scoreごとに分類、RNA抽出を行いWnt5aに代表されるnon-canonical wntsの発現量を比較した。その中でWnt5bが最もGleason Scoreと相関があることが見出されたため、Wnt5bに焦点をおいた。リコンビナントWnt5bを前立腺癌細胞株PC3、LNCaP細胞株に投与するとMTTアッセイで増殖の亢進を確認、また同様にinvasion assayでは細胞浸潤を亢進させた。Wnt5bをsiRNA技術よりノックダウンし各RNA発現量を比較したところTGFb、EGFを始めとする増殖因子の発現が低下することが確認された。次に骨転移に対するWnt5bの関連の有無を調べるため骨転移のある症例およびコントロール症例の血清を集め血中Wnt5bを測定。多変量解析により転移を有する患者で優位に血中Wnt5b値が高いことを発見した。 【研究の意義・重要性】 Wnt5bは他のWntsと同様分泌蛋白であり、血中で検出できることが確認できた。バイオマーカーとしての臨床応用が期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度に予定していた前立腺癌骨転移におよぼすWntsの影響を臨床検体を用いてデータをまとめ終えたためおおむね順調と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者の臨床情報と付帯したパラフィン切片を集め、Wntなどこれまでの研究結果に基づきターゲットとなる候補遺伝子の免疫染色を行い、悪性度や再発率、転移、予後などとの関連を統計的手法で解析し、実臨床への応用につながるデータを出すことを予定している。
|